ヒッチャー(1986) | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます

いまやカルト化しているサスペンスサイコホラー。

シカゴからサンディエゴまで車を陸送中のトーマス・ハウエルが、

ジョン・ライダーと名乗るヒッチハイカー(ルドガー・ハウワー)を乗せてしまったことで、

恐怖の体験をする。

 

イタリア映画『ヒッチハイク』(1976)と、

スピルバーグの『激突』(1971)を組み合わせたような作品だなと思いながら観ていくと、

中盤から思いのほか派手な展開になります。

 

わざとらしいくらい激しい砂嵐から始まり、

そこから神出鬼没で登場するルドガー・ハウワーの登場のさせ方など、

なかなかいい感じで進んでいきます。

 

あれ?と思うシーンも多いのですが、

豪快なカーチェイス場面などを挟みながら力業で展開していき、

その無理やりなストーリーも気にならなくなっていく。

そのカーチェイスシーンはCGでは出せない迫力。

 

指ポテトなどショックシーンがあったり、

ヒロインとの添い寝のシーンに思わぬサスペンスを醸し出したり、

恐怖の見せ方が多様なのが楽しいですね。

 

このサイコ野郎ジョン・ライダーとは何者なのか?

『ターミネーター』(1984)のシュワルツェネッガーか『ノーカントリー』(2007)のアントン・シガーか!

恐怖の追跡魔のこの二人のアンチヒーローに比肩するほどの存在感がある。

終盤はその存在に関してミステリー的要素を匂わすのもGood!

ラストで、

美しい夕陽をバックに無情に立ちすくむトーマス・ハウエル。

ジョン・ライダーとの関係は何だったのか?

ここにも主人公が崖から石を投げ続けて終わる『激突』のラストシーンに似た印象を得ました。

 

あと、

この作品に登場する保安官や警察はめちゃくちゃ無能ですが、

そこには目を瞑って鑑賞することをおススメします。

 

ヒロインの拷問シーンは、

日本のコミック『ワイルド7』のコンクリートゲリラ編で、

世界隊員がやられたのと同じ方法だったなあ。

残酷です。

 

一気に観れてしまうのではないでしょうか。

なかなか面白いですよ。

モヤっとした終わり方ですけどね。