007/サンダーボール作戦 | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
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ロシアより愛をこめて』(1963)で映画ファンのみならず批評家までもうならせた007シリーズ。

『ゴールドフィンガー』(1964)で娯楽作品として確固とした地位を築いて乗りに乗ったタイミングで制作されたシリーズ第4弾です。

 

世界征服を目指す悪の天才ブロフェルドが率いるスペクターが、

爆撃機から原子爆弾2発を奪いNATO(北大西洋条約機構)を脅迫。

 

英国秘密諜報員ジェームス・ボンド(007)は、

爆撃機の操縦士の妹に接近し原子爆弾を探し出す。

 

娯楽作品らしいシンプルなストーリーです。

シリーズお楽しみの秘密兵器も、

一人で空中を飛ぶことのできるジェット機(1984年ロサンゼルスオリンピックで実用化されてたアレです)や、海中でのとても簡易な酸素ボンベなど盛りだくさん。

南の島で繰り広げられる海洋アクションとなってます。

 

カーアクションも派手で、

現在のようなCGに逃げない展開なので迫力あり。

火薬もふんだんに使って爆破シーンなどもとても贅沢に撮られています。

 

サメとの格闘シーンもあったりして、

サービス満点の作品なんですが・・・

 

面白いんですよ、

だけどね、どうしようもないことなんですけど、

水中の格闘シーンってどうしても動きがスローになっちゃうんですよね。

リアルと言えばリアルなんだけど、アクション映画ではマイナスになっちゃう。

 

敵のボスも迫力不足なのも残念。

アイパッチをして悪そうな人相を出そうとしているですけど、

シリーズ悪役ランキングがあるとしたら下から数えた方がいい薄い存在感。

 

前作までの勢いでヒットしたような感じがする本作。

出来栄えはあまりよろしくないのではと感じてしまう。

 

悪のラスボスであるブロフェルドとその組織スペクターは、

大人の事情でこの作品以降20年以上登場できなくなってしまいます。

 

とはいえ、

ショーン・コネリーのジェームス・ボンドはますます板についてきたし、

ピンチとチャンスが交互に惜しむことなく挟まれている連続活劇映画のお手本のようなテレンス・ヤング監督の演出はさすが職人監督とよべる腕前で退屈しません。

 

インフレ率を考慮した興行収入では、

現在でもシリーズ№1の成績を残しております。

1962年から始まって60年を迎えた現在でも新作が制作される007.

この作品は、

シリーズの第一次絶頂期だったかもしれません。

ほぼ1年に1本ペースでこんな大作が撮られていた時代ってすごいですね。

 

『007/サンダーボール作戦』 Thunderball(1965)

テレンス・ヤング監督作品 130分