テイタム・オニールの涙~『がんばれ!ベアーズ』(1976)より | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます

『がんばれ!ベアーズ』は、

今観ても笑えて泣ける傑作映画で、

野球映画というジャンルで括っても個人的に上位にランクインする作品です。

 

いかにもアメリカ映画らしい明るい映画なのですが、

とても切なくなるシーンがありました。

 

最弱チーム「ベアーズ」の救世主としてチームに加入したアマンダは、

監督バターメイカー(ウォルター・マッソー)と別れた妻との間にできた子供。

 

連投が続くアマンダの肘の手当てをするバターメイカーと二人きりになったときに、

アマンダはバターメイカーと母親の間を取り持とうと一策案じます。

 

しかし、それに激高したバターメイカーは、

アマンダに水をかけて、

「余計なことをするな!」と一喝します。

 

折角の計画が無になったアマンダは、

涙を流しながらベンチを離れて帰宅します。

 

このシーンのアマンダ(テイタム・オニール)の涙が切なくて切なくて。

彼女はお父さんもお母さんも愛していた。

3人で仲良くもう一度暮らすことを夢見ていた。

でも、心の決別をつけた父親にはそれが通じなかった。

 

哀しかっただろうなあと本当に感じるシーンでした。

 

バターメイカーもアマンダの気持ちは充分わかっていたはず。

でも彼の“けじめ”がそれを許さなかった。

 

この作品、

ラストの爽快感と感動が最大のクライマックスなんだけど、

こういうエピソードが挟まれることによってドラマの深みが増しましたね。

残念ながら続編にはこんな感動はなかった。

当時、テイタム・オニール12歳。

もうすぐ還暦とはなんだか感慨深い・・・

 

当該場面のMovie Clipがありましたので貼り付けておきます。