本日、私の誕生日。
私が愛読しているブログ『沖田虎丸日記』さんと同じ誕生日だということで、
勝手に同志感を抱いております。
そして誕生日にふさわしい作品のレビューということで、
いろいろ考えたのですが、
誕生日というのはあくまでも物語の背景になっていることが多く、
それ自体がテーマになっている作品が少ないのに気が付きました。
それでも意地でも誕生日に関連した作品をレビューしたく、
本日は、
『誕生日はもう来ない』(1981)をご紹介したいと思います。
若者グループが次々と謎の死を遂げていくというこの時代に流行った低予算ホラー。
「13日の金曜日」などがその類の代表作と言えるでしょうか。
本作は、
その単細胞的連続残虐殺人事件映画にサイコホラーサスペンスの要素を取り入れており、
その点で少しは楽しめるかなとは思います。
トップ10と呼ばれる金持ち若者グループ。
そのメンバーが次々と失踪。
そのグループの中の怪しい人物も失踪していき連続殺人事件は混迷を深めていくという内容なのですが、
物語中盤で、
記憶喪失を患うヒロインが事件に関係していることがわかると興ざめしてきた。
記憶喪失はサスペンス映画には反則だから。
ヒロインの根底には、
社会の貧困カーストや母親の死の要因などがあるんだなあとなんとなく観ていた。
もちろん失踪していく場面にはそれぞれゴアシーンが用意されており、
ショッキングな描写が見せ場ではある。
そして、
ヒッチコックの『サイコ』に代表される人格移転ものに免疫を持っている者からしたら、
ああまたかと思われるエンディングを迎えると思いきや、
思いもかけぬ意外などんでん返しが待っていた。
いや、ある意味予想されてはいたのだがその見せ方がうまかった。
ラスト15分は満点に近いと思う。
それだけにモタモタした展開がもったいなかったね。
採点は中くらいだけど、
今日は誕生日なのでちなんだ作品として記憶しておきたいと思います。
誕生日はもう来ない Happy Birthday To Me 1981
J・リー・トンプソン監督 111分