どこまで続くかわかりませんけど、
映画タイトルでしりとりをしてみようと思います。
その映画の雑感などを書いていけたらなと思います。
最初は『あ』
『あ』で始まるタイトルの映画はたくさんありますが、
私にとって思い入れの深い、
「明日に向かって撃て」（1969）
から始めていこうと思います。
実在の二人組強盗だった、
ブッチ・キャシディとサンダンス・キッド。
サンダンスの妻でありブッチの恋人であるエッタ・プレイスの3人を描いた新感覚の西部劇。
その時代を生きたわけでもないのに、
とてもノスタルジックな気分になれる不思議な作品でした。
ジョージ・ロイ・ヒル監督の映像感覚がとても素晴らしく、
特にブッチとエッタがB・Jトーマスの「雨にぬれても」の音楽を背に自転車で戯れるシーンは、
映画史上に残る名シーンとして記憶されています。
ブッチをポール・ニューマン、
サンダンスをロバート・レッドフォード、
エッタをキャサリン・ロスがそれぞれ演じています。
断崖絶壁に追いつめられた二人。
滝つぼに飛び込んで逃げようと提案するブッチに対して、
「俺は泳げないんだ」とサンダンスが告白し爆笑するシーン。
列車強盗を企て、
列車を爆破したまではいいが、
火薬量が多すぎて札束まで吹きとばしてしまうシーンなど、
前半はユーモラスな展開で物語は展開していきますが、
追手を逃れて3人がボリビアにやってくるあたりから物語は悲劇的な方向に向いていきます。
エッタが言うセリフ、
「あなたたちの言うことは何でも聞くわ。でも二人が死ぬところだけは見たくないの」
アメリカン・ニューシネマに分類されることもよくあります。
ラストのストップモーションにそれは象徴されます。
配役に関しては、
ポール・ニューマンは決まっていたけれども、
サンダンス役のロバート・レッドフォードは決まってなかったらしいですね。
それより、
ポール・ニューマンがサンダンスを当初演じることになっていたのだという。
いやあ、
サンダンス役にロバート・レッドフォードが決まってよかったですね。
あの3人のあの配役以外でのこの作品は考えられませんから。
頭は切れるが血を見るのが嫌いなブッチ、
早打ちの腕は抜群だがすぐ頭に血が上ってしまうサンダンス、
その二人の男性に愛されるエッタ。
愛すべきキャラクターでした。
劇中でのエッタは確か教師の設定だったと思いますが、
実在のエッタはとても謎の多い女性だったとか。
ところでこの
『明日に向かって撃て』という邦題はよくできていますね。
原題は、BUTCH CASSIDY AND THE SUNDANCE KID。
この作品を観て二人の存在を知った人の方が圧倒的に多い日本ですから、
西部開拓時代の二人のならず者の名前をただ並べただけのタイトルで日本公開しても、
おそらくここまでなじまなかったと思います。
ということで映画タイトルしりとり、
次回は「て」から始まるタイトルの映画で行こうと思います。