2011年3月11日。
あの日の映像はすぐに蘇ってくるが、
あの問緊急事態になった福島第一原発のニュースで飛び交った、
「ベント」や「メルトダウン」という言葉は一般には忘れられようとしている。
人間の力じゃとても制御できない巨大なエネルギー、
「原子力」。
暴走するとどうなるか、
その言葉とともに思い出さなければならないだろう。
政治的な視点から批評してはいけない。
大事なのは、
2011年3月11日に福島の原発で何が起こったのかということを思い出すことだ。
ドキュメント作品ではないから、
出てくる人物は誇張され、
ドラマ部分のセリフは臭かったりするが、
この作品の場合は、
そんな事どうでもいいかなと思えてくる。
原発の職員の手によって、
“手動”でベントが行われたのは事実だし、
メルトダウンを起こして爆発が起こったのも事実だ。
その状況を映画は緻密な描写で描いてみせる。
それだけでこの作品の価値はあると思う。
思い出させてくれる力だ。
日本は、
「原子力」に頼ってそれを享受していかなければならない。
CO2排出ゼロの夢のエネルギー。
扱いを間違えると人類が滅亡してしまうほどのエネルギー。
自然はいつか想定外を連れてくる。
その時に知恵と経験はどんな対応ができるのか。
偶然にもこの記事を書いているときに、
また地震だ、揺れた。
18時59分。
地震や災害はいつやってくるか本当にわからない・・・
Fukushima 50 (2020)
若松節郎監督 122分