超個人的!大阪を舞台にした映画TOP5 | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます

今回は、

大阪を舞台にした“超個人的”な映画作品TOP5を綴っていこうと思います。

 

「大阪」ってどんなイメージがありますか?

お笑い?言葉が荒い?人情?、たこ焼き?阪神タイガース?(厳密にいうと阪神タイガースの本拠地は兵庫県西宮市で大阪ではない)、グリコの看板?・・・

 

普段テレビ等から発信されるステレオタイプな大阪の印象って、

上記のような感じかなあと思います。

 

そこで、

今回私が挙げる作品TOP5は、

大阪人が見た大阪らしい映画ということで進めていこうと思います。

 

わざとらしい関西弁や、コテコテのお笑いがありつつも、

大阪人が不自然に感じない世界観を持つ作品と言いましょうか。

「あ~そうやねん、大阪ってこんなんやねん」と感じられる作品です。

 

それから、

舞台が大阪である必然性があり、

それがなければ物語が成立しないことというテーマで選んでみました。

それでは!

 

第5位

『ブラックレイン』(1989) リドリー・スコット監督作品

 

とかいいながら、

まるっきりファンタジーの大阪の映画を選んでるじゃないかという声が聞こえてきそうです。

でもこの作品、

下手な日本映画より大阪を描写しているんです。

大阪庶民の歓楽街“十三”(じゅうそうと読みます)や阪急梅田駅などが、

本当にそのまま映し出されているんです。

異国情緒を狙った変化球が変化しすぎて直球になってしまったという感じです。

大阪がより大阪らしく見えました。

 

第4位

『どついたるねん』(1989) 阪本順治監督作品

 

その後、

数多くの問題作や話題作を撮っていますが、

間違いなく坂本監督はデビュー作である本作がナンバーワンであると断言できます。

大阪西成の下町が本作の舞台。

その会話、その空気、その涙、

作り物でない大阪がそこにあります。

 

第3位

『泥の河』(1981) 小栗康平監督作品

 

昭和30年代の人々の物語なんですけど、

今でも安治川の雰囲気は変わらないんですよね。

安治川っていうのは、旧淀川の支流の一つで、

船着き場だったところ。

なんとなく空気も気配もよどんでいて物悲しくて。

あそこじゃないと物語は成立しない。

大阪湾につながるあそこじゃなきゃ、

メッセージ性も損なわれる。

これぞ、

大阪の映画という感じです。

でも、

実際にロケしたのは大阪の安治川ではなくて、

名古屋らしいんですけどね。

 

第2位

『追悼のざわめき』(1988) 

 

近親相姦、カニバリズム、障害者差別など、

タブーをすべて犯してしまったような作品。

 

この作品でも大阪が重要な舞台となり、

大阪でないと成立しない。

 

ちょっとDEEPな大阪を歩いたことがある方なら、

ロケ地の特定は容易にできるはずだ。

例えば現在日本に残っている唯一かつ最大の遊郭“飛田新地”の料亭、

『鯛よし百番』が映り込んでいる。

 

日本最大の日雇い労働者の街あいりん地区に建つ要塞のような建物労働福祉センターで寝転ぶホームレスの姿もそのまま映り込んでいる。

釜ヶ崎と呼んだほうがしっくりくる方も多いかもしれない。

 

他にもジャンジャン横丁、新世界、今はすっかり様相が変わってしまった阿倍野駅界隈でロケされている。

そしてこの物語の顛末をすべて見下ろしているのが通天閣。

 

そこで繰り広げられるマネキンを愛した男の物語。

強烈ですが、大阪でした。

 

第1位

『ガキ帝国』(1981) 井筒和幸監督作品

 

 

井筒監督は作り物でない大阪を撮らせたら右に出る者はいないだろう。

1960年代の大阪。

梅田を中心にする通称“キタ”。

難波を中心にする通称“ミナミ”。

そこを舞台にして少年たちが暴れまくる。

 

夜の地下街、南港など、

ロケの魅力が絶大です。

決して魅力的な街という描き方ではないんですけど、

大阪のヤンキーの生態がそのまま映しこまれている。

 

紳助・竜介の二人の演技も神懸っていたし、

上岡龍太郎、趙方豪、升毅らの助演も完璧。

 

ヤンキー映画でありながら、

何故かノスタルジックな気分にさせてくれるのも、

この作品の大阪に噓がないから。

 

一つ一つ出てくる小ボケも、

大阪人ならきっと笑えるだろう。

 

後の同監督による『岸和田少年愚連隊』(1996)も面白かったけど、

どうしても本作の二番煎じ感がぬぐえなかった。

 

以上、

私の、『超個人的!大阪を舞台にした映画TOP5』でした。

いろいろ異議のある方もおられるとは思いますが、

超個人的ということでお許しください。

 

あと、次点に、

『円卓こっこ、ひと夏のイマジン』(2014)

を挙げておきます。

芦田愛菜ちゃんの、

『うっさいわ、ボケ!』というセリフがなければTOP5に入っていたんですけどね・・・