フルートベール駅で(2013) | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます

2009年1月に、

カリフォルニア州のフルートベール駅でオスカー・グラント3世射殺事件を基にしたドラマ。

 

監督は、

昨日アップした『クリード/チャンプを継ぐ男』のライアン・クーグラー。

 

この作品には愛が詰まっている。

娘への愛。

恋人への愛。

母への愛。

友人たちへの愛。

困っている隣人への愛。

 

主人公は、

ちょっとだけ間違ってしまった。

その小さな間違いがこんな悲劇を呼ぶことになるとはやりきれない。

 

母親は、

息子の死へのトリガーを引いてしまった。

悔やんでも悔やみきれないであろうこれも悲劇だ。

 

その時が訪れるまで、

優しい場面があふれている。

 

娘との鬼ごっこ。

恋人との喧嘩と仲直り。

見知らぬ女性へ魚のフライのレシピ。

母親の誕生パーティー。

父娘揃っての歯磨き。

楽しい仲間たちとの新年へのカウントダウン。

 

ライアン・クーグラー監督の映像センスが光る。

鬼ごっこのシーンでのスローモーション。

マリファナの売人を辞めるために訪れた海岸線の駐車場のきらめき。

発車する夜の電車、打ちあがる花火。

 

実話を基にしているというのが、

さらに哀しみを深くする。

ラストのドキュメントの動画がそれを刻み付ける。

 

出来栄えは、

昨日の『クリード』(2015)よりはるかに上だ。

未見の方は絶対に観るべし!

 

フルートベール駅で(2013)ライアン・クーグラー監督作品

85分