告白 | あの時の映画日記~黄昏映画館

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告白

2010年(日) 中島哲也監督作品

 

中島哲也監督作品が続きます。

本作は、

公開当時に観ていたのですが、

レビューできずにいました。

 

一緒に観に行った女性がいたのですが、

彼女のブログの文章力が凄くて、

自分の稚拙な表現力じゃ太刀打ちできないと思ったのが原因でした。

 

残念ながら彼女はブログをやめてしまったようです。

 

さて、本編です。

 

娘を生徒に殺された女教師森口(松たか子)の壮絶な復讐劇。

この作品の凄いところは、

加害者少年をそれぞれAとBという仮名で物語が進んでいくのに、

観客には比較的早めにAとBが誰かというのがわかってしまう。

 

それなのに、

充分謎解きミステリーとして成立しており、

登場人物それぞれが追い詰められていくところです。

 

教師森口が、

『命』というテーマで授業を進めていくシーンからはじまり、

まったく無駄のない構成で、

自分と娘との関係、

生徒A、Bが殺人に至る過程、

さらにA、Bの家庭環境に至るまで明かされていき、

でも、

物語の先を読む興味が失われない脚本が見事だと思った。

 

それぞれの登場人物が主体性を持っているのに対して、

岡田将生演じる“ウェルテル”という愛称で呼ばれている教師だけが、

回りに振り回されている。

物語が進むと、

このウェルテルも重要な役回りを持っているのがわかるところも、

この脚本がよく練られているところだ。

 

一見どこにでもあるようなクラス。

でも、狂っている。

怖い。

 

幼くして殺されてしまう森口の娘愛美役に芦田愛菜ちゃん。

公開当時には気づかなかったんですけど、

パンフレット見直してビックリでした。

 

公開当時に気づかなかったといえば、

生徒役の一人に“のん”こと能年玲奈も出ていたんですね。

パンフレットの集合写真に写っていました。

この頃はオーラはなかったですね。

準主役の橋本愛のほうがブレイクすると思っていました。

 

いじめや校内暴力、

少年法、

モンスターペアレンツやネット依存など、

重要な社会問題もちりばめながらも、

エンターテイメント作品に仕上げているあたりに、

中島監督の凄さを感じました。

 

2010年邦画マイベストムーヴィーです。

 

★中島哲也監督作品レビュー

下妻物語

嫌われ松子の一生

 

 

 

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