Tokyo Tribe | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます



Tokyo Tribe

2014年(日) 園 子温監督作品


コミック原作ということですが、

原作未読ですので、あくまでも映画版について書かせていただきます。


東京と思われる都市において、

それぞれの地域の族(Tribe)の対立と抗争を描いた物語。

いつもやりすぎの感がある園監督作品ですが、

今回もそうです。


僕はラップという音楽にまったく免疫がないので、

このラップ・ミュージカルともいえる物語の進行には、

正直言ってちょっと疲れました。


そうはいえ、

映画ファンとしての園節は、

相変わらず好調で、

その点ではにんまりしてしまいました。

「また出た、トラックスーツ!」って感じでね。

パクリとオマージュというのは、

非常にあいまいなラインであるわけですが、

園監督は過去のストリートキッズを描いた諸作品の影響を受けているのは、

明らかだと思われます。


ストリートキッズものといえば、

ミュージカル映画の傑作「ウエストサイド物語 」がまず頭に浮かぶわけですが、

本作品はいずれもウォルター・ヒル監督の傑作、

ウォリアーズ 」と「ストリート・オブ・ファイヤー 」を合わせたような感じです。


ただ、それぞれの“族”が、

ウォリアーズ 」のように個性を持って描かれていないために、

観客である僕は少々混乱してしまった。


それぞけのシーンだけを切り取ると、

とても刺激的で迫力があるのですが、

トータルでみると、構成が甘い点が目立つ。


役者さんはみんな

とてもいい。

メラ役の鈴木亮平のふてぶてしさもとてもいいが、

なんといってもMVPはスンミ演じた清野菜名である。

アクションの切れがよく、

愛のむきだし 」の満島ひかりの再来を感じさせる。


それにしても、

今回、園子温監督は、

観客の目線に下がりすぎてきたような、

大衆に迎合するような作品に感じてしまったのは残念。


観客を置いてきぼりにするような、

園監督の作風が好きだったので、

今回はヒット作品になるかもしれないが、

個人的には少々さびしい。


監督の名前で観に行きたくなる監督が少なくなった、

現在の日本映画界における数少ない一人であるだけに、

次作に期待したい。


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