私にとって事件でした。
衝撃を通り越して虚無感さえ感じました。
フランシス・コッポラ監督。
1979年度作品、カンヌ映画祭グランプリ受賞作。
『地獄の黙示録』
2000年に特別完全版ということで、オリジナルには収まりきれなかったフッテージが追加された3時間23分の長尺版が公開されましたが、そちらのほうはまた改めてレビューすることにします。
この作品は、ラストシーンの処理に関して3つのパターンがあり、私が観たのは70mm版で、ラストクレジットがありませんでした。それで、観客に次のような全スタッフ・キャスト表が配布されました。
物語は、ジャングルの奥に自分の王国を作り独裁政治をしているというカーツ大佐(マーロン・ブランド)を超法規的主義で抹殺せよという指令を受けたウィラード大尉(マーティン・シーン)が4人の部下と共に小艇で川を上っていき、次々に起こる戦争の狂気を目の辺りにして、自分の中での矛盾と戦いながらついに、王国の神と化しているカーツ大佐と対峙するというものです。
オープニングのジャングル炎上場面にかぶさる、ドアーズの「ジ・エンド」ここからもすでに私は画面の中にトリップしていました。
そして、ウィラードは危険区域の護衛を依頼すべく、空軍騎兵隊第一中隊にギルゴア中佐(ロバート・デュバル)を訪れる。
彼は、ヘリコプターで空の騎兵隊を組み大音量でワーグナーの「ワルキューレの騎行」を流しながらベトコンの村を急襲する。
そして、なんとその戦闘地帯でサーフィンを始めるのだ。
サーフィンをするのにゲリラが邪魔だということでナパーム弾を使用してジャングルを焼き払ってしまう。
ウィラードたちはさらに川をさかのぼっていく・・・
突然現われるイルミネーション、
米兵を慰問するためのバニーガール、
欲望をぶつける兵士達・・・
指揮官のいない場所で誰と戦っているのか分からないド・ラン橋。
川をさかのぼってる間にウィラードの元には、極秘資料としてカーツ大佐の経歴などが送られてくる。
カーツの経歴は完璧なものだった。
そんな、将校を何故殺しに行かなければならないのか。
ウィラードは困惑する。
そして、自分がカーツとシンクロしていく感じがしてきた。
王国に到着して、ついにウィラードは神と対峙する・・・
「2001年宇宙の旅」が未知なる物への旅だとたとえるならば、この作品は、人間の内面の矛盾に向かっていく旅のドラマといえるでしょう。
このオリジナル版は、いろんな部分を暗示的に示していくだけで進行していくので、ストーリーを追っていくと難解な映画ということになるのでしょう。
でも、この映画は体験する映画なのです。
理屈っぽく観る必要はないのです。
CGなど使っていない戦闘シーン、
マーロンブランドの発する哲学的な言葉、
奇妙な事に熱中する兵士達・・・
すべて体験してみてください。
「特別完全版」はまた後日レビューすることにします。
がちゃん
クリック応援よろしくお願いします!
↓ ↓ ↓ ↓
- 地獄の黙示録 3Disc コレクターズ・エディション (初回生産限定) [Blu-ray]/マーロン・ブランド,ロバード・デュバル,マーティン・シーン
- ¥7,500
- Amazon.co.jp
- 地獄の黙示録 [Blu-ray]/マーロン・ブランド,ロバード・デュバル,マーティン・シーン
- ¥1,980
- Amazon.co.jp
- 地獄の黙示録 特別完全版 [DVD]/マーロン・ブランド,マーティン・シーン,デニス・ホッパー
- ¥1,890
- Amazon.co.jp