ダークヒーロー イン・ザ・スクール (45) | 八光流 道場記

八光流 道場記

京都で約30年、師範をやっております。
つれづれなるままに書き綴ってまいります。

おれは、かつて学童保育の在宅指導員として勤務していたが、昭和と言う時代で無かったらおれのような存在は3日で首だっただろう。



ある日 おれが出勤したら4年男子が2人の指導員と深刻な顔で話していた。


「何かあったか?」とおれはその少年に事情を聞いた。


少年の話によると少年は、前日中学生に学童のおやつ代を恐喝されたらしい。


「なんだカツアゲか?犯人の顔を覚えているか?」と聞くといつも近くの裏道を通って帰る奴だと言う。


「よし 今日そいつを待ち伏せしておやつ代を取り返してやるから一緒に来い」とおれは、被害者の少年を連れて歩き出した。


他の指導員達が「手荒な事しないで下さいよ」とか「妙にやる気満点ですけど大丈夫?警察に言った方がいいんじゃないの?」と声を掛けて来たが、おれは無視して犯行現場に向かった。


30分も待たずして問題の中学生が、おれ達が物陰に潜んでいる所を通り掛かった。


奴は、1人だった。

おれは奴の背後に付いた。


そして「お前昨日小学生からカツアゲしたな」と突然真後ろから暗く低い声で話し掛けた。



(46)に続く