亀の甲戦術 (前編) | 八光流 道場記

八光流 道場記

京都で約30年、師範をやっております。
つれづれなるままに書き綴ってまいります。

今月おれは、自動車免許の更新の為 免許試験場に行った。


全ての手続きが終わると最後に自動車運転に関する講習を受ける。


退屈な講習の中で一つだけおれが興味を持ったのは、車に乗っている時に暴漢に遭遇した際の対処法の話でこんな時は「亀の甲戦術」に限ると言う事だ。


「亀の甲戦術」とは、亀が敵に襲われた時 頭や手足を甲羅の中に引っ込める事を言う。


車に乗っている時 暴漢に襲われたら決して車外に出ず携帯やスマホで警察に通報するのが最良の対処法だと言う話だ。


これは、護身術の心得としては常識だ。


ただ 免許更新の講習のネタにする程煽り運転や迷惑な奴らが増えていると思った方が良さそうだ。



おれも数年前 変な奴に絡まれた事がある。


親父を病院に連れて行く為に車を走らせていて脇道から本道に出る時 一旦停止して左右を確認したら左に車が見えたが大分距離があったので本道に出て右折した。


すると本道に出る時左に見えた車が後ろからスピードを上げて追い掛けて来てクラクションを鳴らしながらおれの車を追い越して前方で急停車した。


前方の白いワンボックスから年齢30前後の男が降りて来ておれの車の運転席の窓をゴンゴン叩くのでおれは窓を全開にして「何かようか?」とその男に聞いた。


「亀の甲戦術」で対応するならこんな時は窓を開けてはいけない。


だが、おれはこの男の如何にも慣れた一連の行動に興味が湧いたので少し挑発してみる事にした。



後編に続く