松葉杖の師範 | 八光流 道場記

八光流 道場記

京都で約30年、師範をやっております。
つれづれなるままに書き綴ってまいります。

30年以上前に本部道場で出会ったその人は「松葉杖の師範」と呼ばれていた。


その師範は片足が不自由らしく松葉杖をついていた。


その頃 おれはまだ師範になってなかったので「松葉杖の師範」に稽古を付けてもらう事にした。


稽古をしていても この師範の動きに殆ど違和感を感じなかった。


そして技に隙が無く正確な技をか掛けて来る。


おれは、身体のハンデを感じさせない独自に八光流を変化させて使う彼の技に感動した。


おれの技は、まだまだ未熟で荒っぽく力で捩じ伏せるような癖があったので松葉杖の師範に「八光流は、そうじゃないだろう」と叱られた。

おれが「うちの師匠にもよく言われます」と言ったら松葉杖の師範は二度頷いていた。


一度切り20分位の稽古だったが、とてもいい経験になった。


八光流は、応用次第で高齢者や身体にハンデのある者でも充分使える。

それこそ護身武芸八光流の可能性でもある。


そんな事を技を通して教えてくれたのが、あの松葉杖の師範だった。ゆ