ダークヒーロー イン・ザ・スクール (41) | 八光流 道場記

八光流 道場記

京都で約30年、師範をやっております。
つれづれなるままに書き綴ってまいります。

おれが居た頃の学童保育では、年に1回映画鑑賞の日があり いわゆる教育映画を学童の子供達を引率して観に行く恒例行事があった。


教育映画と言うと堅苦しいイメージだが、けっこう大人が観ても楽しめる作品だった。


あれから30年以上経った現在では、行政側の意向で映画の内容に思想的な偏りがあるとかで映画鑑賞は、禁止になったと聞いた。


おれの知る限りでは、反戦的な映画が多かったように思うが行政側にとって何処が都合が悪かったのか明確な説明は無いそうだ。


それは、さて置き おれはある学童保育の子供達を引率して隣町の市民会館へ映画鑑賞に行く事になった。


「只で映画鑑賞出来るとはラッキーだ」と喜んでいたら「何言ってるんですか 事故の無いようにしっかり引率して下さいね」と他の指導員が釘を刺した。


確かに曲者の多い学童保育の子供達約50人を5人位の指導員で隣町まで引率して行くのは、大変だろう。


子供達を引率して歩道を歩いていると わざと道路の真ん中を歩いている4年男子を発見して「コラッ 何処を歩いてる!」と歩道に戻るように促したら「うるさいオッサン!」と逆ギレされた。


在宅指導員のおれは、この学童保育には滅多に来ないのでこの4年男子も含めてあまり馴染みが無かった。


とは言えおれはムカついたのでその4年男子の腕を少し乱暴に掴んで歩道に引き戻した。


するとそいつは「痛いなぁ 暴力振るうなよ!」と今度は被害者ぶったが、おれは無視した。


その後 電車に乗ってからもそいつは、電車内をうろついたり吊り革にぶら下がったりして若手の指導員に注意されていた。


こんなタイプの子供は、珍しく無かったがどうした訳かおれは、この4年男子に必要以上に怒りを覚えていた。


(落ち着け こんな奴に関わるな)とおれは、自分に言い聞かせていた。



(42)に続く