技の伝承 | 八光流 道場記

八光流 道場記

京都で約30年、師範をやっております。
つれづれなるままに書き綴ってまいります。

八光流は、一子相伝で伝承されて行く。


八光流宗家は、初代から始まって三代目に代わりつつある。


師匠は、初代の下で修業し初代の技を身に付けていたので おれも当然初代の技を使う。


おれは、二代目以降の現代の八光流と接すると何か違和感を感じる。


初代の技と現代の技との違いは、何処にあるのか?

それは創られた時代背景の違いだ。


初代の八光流は、終戦間際の混沌とした時代に体力も体格も勝る外国人からも身を護る手段として創られた。

そして その八光流を二代目が継承したのは、バブル契機で世間が浮かれていた頃だった。


武道と言う物が、時代が求め必要に応じて生まれ時代の流れによって変化して行くのだとしたら初代の技と現代の技の違いは、歴然としている。


初代の技は、無骨で極力無駄な力や動きを用いず小さな一瞬の動きで相手を制する。

その技には、圧倒的な威力を感じる。


現代の八光流の技は、無骨さは薄れ洗練された如何にも合気系の技になっている。


八光流本部側の意向としては、初代の技より現代の八光流の技に統一して行く傾向にあるようだが、一方的に技を変えろと言われて 抵抗無く自分の技を変える程おれは素直でも器用でも無い。


かつて師匠は、本物程 伝えて行くのが難しいのだと言っていた。

それに関しては、珍しくおれと師匠の考えが一致している。