礼儀行儀 | 八光流 道場記

八光流 道場記

京都で約30年、師範をやっております。
つれづれなるままに書き綴ってまいります。

おれの道場に入門出来るのは、中学生以上と決まっている。


それでも小学生以下の子供を入門させたい親は、けっこう居て何故子供が習えないのか?よく質問される。


過去に子供の入門を何度か認めたが、殆どの子供が半年以内に辞めてしまった。


おれは、続かない原因を独自に分析し子供の居る弟子の意見も聞いた結果 入門は、中学生からと決めた。


それを いちいち説明するのが面倒なので「おれは子供が嫌いでねぇ」とつい答えてしまって弟子に感じ悪いとか道場の好感度が下がると叱られたりする。


子供に習わせたい理由を親に聞くと護身目的だけじゃなく礼儀や行儀を教えて欲しいと言う狙いもあるようだ。


礼儀や行儀なんておれ自身ちゃんとしているかと言うと怪しいもんだ。

それを子供に教えるなんて苦手中の苦手だ。


おれは、礼儀や行儀は、先ず家庭で教えてもらうもんだと思っている。


普通 武道の練習から学ぶ礼儀や行儀は、封建的で師範と弟子 帯の色 先輩後輩 等の絶対的な上下関係を叩き込まれる。


上下関係が最重視でそれさえ心得ていれば礼儀や行儀が身に付いたような気になる。


だが、一つ間違えれば上の者の理不尽な命令にも下の者は、従わざるを得ない状況になる恐れがある。

上の者が、黒を白と言えばそれを受け入れる事が当たり前になってしまう。


おれは、幼い子供達にそんな人間関係に慣れて欲しいとは思わない。


絶対的な上下関係より 例え相手が師範であろうと黒帯であろうと間違った言動や思想に対して反抗出来る精神を培ってもらいたい。


理不尽な事がまかり通る世の中だからこそ 子供達は、下らない上下関係重視の礼儀や行儀を覚えるより自分なりの正義を貫く精神を大切にするべきだと思う。


だから子供に武道を習わせるなら上下関係重視の封建的な道場より たまに弟子に叱られる師範が教えているような道場がお勧めだ。


ただし おれの道場は、小学生以下の子供は、お断りなので悪しからず。