ダークヒーロー ビギニング(2) | 八光流 道場記

八光流 道場記

京都で約30年、師範をやっております。
つれづれなるままに書き綴ってまいります。

《自己紹介》


おれは、子供の頃から協調性が無く友達付き合いも下手だったが、動物とは直ぐ仲良くなる。

町の野良犬達とまで付き合っている内に動物目線で人間を見るようになっていた。

自己紹介の日の数日前 仲の良かった近所の犬が、人を咬んだ罪で殺処分になったと聞き おれは、怒り心頭に発していた。
あの犬は、無闇に人を咬むような奴じゃない。絶対に人間の方から何か仕掛けたに違いない。

動物目線で世の中を見ていると 人間の理不尽さに気付かされる事が多い。

あの自己紹介の時「人間が嫌い」と言う言葉が出たのも殺処分された犬の件でおれの胸の内にあった怒りをつい吐き出してしまった。

中学一年の担任は、若くて綺麗な女性だったが如何なる時も沈着冷静で感情を表に出さないクールなキャラだった。

彼女は、おれの人間嫌い発言で一見素知らぬ顔をしていたが家庭訪問でおれの母親にその理由を聞くまでは、おれを要注意人物だと思ったと随分後に打ち明けてくれた。

その後彼女は、運悪くおれの三年生の担任も受け持つ事になる。

そしてこの担任教師との出会いが、おれの生き方に大きな影響を及ぼしダークヒーローストーリーの原点になるとは、その頃のおれには全く知るよしも無かった。