破門の条件 | 八光流 道場記

八光流 道場記

京都で約30年、師範をやっております。
つれづれなるままに書き綴ってまいります。

八光流の道場を開いて30年になる。

その30年の間に破門になった門人は4人いる。
他の道場の事は知らないが30年で4人と言う人数は多分少ない方だろう。

本来八光流は、守るべき三綱五訓と言う心得と戒めがあり それに基づいて門人を指導する事になっている。

どうもこう言う堅苦しいのが苦手で自分自身が品行方正でもないおれが、門人を罰するなんざ片腹痛い話だ。
しかし そんなおれでも容認出来ない事態もある。

だからおれは、おれの道場での破門の条件を独自で決めている。
それは、ごく当たり前でシンプルな三つの条件で

一、迷惑な奴

一、卑怯な裏切り者

一、心掛けの悪過ぎる奴

この三つに照らしておれの判断で破門を決める。

何にせよ 出来る限り弟子を破門にしたくはない。

破門に関するおれの処置を寛容過ぎると見る者も居る。だがおれは、寛容なんてそんな出来上がった男じゃない。
ただ少しだけ切り捨てられる側の気持ちも分かるだけだ。

それに破門になる弟子が居ると言う事は、師としてのおれの器量不足による所でもある。

おれは、破門にした弟子の事を今でもふと思い出して その判断が正しかったのかと溜め息をつく時がある。