焦って駆け込み購入しないほうがいい理由 | 起業・創業支援-東京都の公認会計士・税理士@渋谷区・新宿区

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創業直前~創業5年くらい経理、税金とか全然わからない「あなた」のためのブログです

2014年4月から消費税が上がります。

当然、2014年4月以降、
購入価格は上がってしまいますから、

大きな買い物は今のうちにしておかないと!

とお思いの方も多いはず。


確かに、
生活のために購入する物(=経費にしない物)については、
2014年3月までに購入したほうが税金は安く済みます。

 でも、
この話は、
会社の経費にする物を購入する場合には、
必ずしも当てはまりません。


いつ購入しても、消費税負担が変わらない
ケースがあるのです。



▼例えば、
一般的な業種で、消費税を「原則課税」で支払っている場合。


2014年4月以降に経費で物を買うと、
確かに、消費税は上乗せされています


でも、期末の消費税申告時には、
いったん支払った消費税を差し引いて、
納税をすることになります。



言い換えれば、
上乗せして払った分を、1年後に取り戻せる、ということです。


この場合には、
事業年度を通算して見ると、
消費税負担は変わらない

のです。


ですから、
このような状況に当てはまる場合は、
無理に駆け込み購入をする理由は、ほとんどないのです。



▼逆に、
・消費税の納税義務がない
・消費税の簡易課税制度を適用している

という場合には、
支払った消費税を取り戻す機会がありませんので、
購入時の消費税が少ないほうが、税負担は減ります。


ですから、
このようなケースに該当する場合には、
2014年3月までに購入するほうが、
多くの場合は、消費税負担は抑えられるケースが多いです。

※一部例外的に、
 しばらく待ってから購入したほうが税負担が減るケースも、あります。
 ただ、長くなってしまうので、説明は割愛します。


▼もっとも、
前倒し購入することが、経営判断として正しい判断なのかは、
また別問題です。

・在庫を普段より多く調達すれば、不良在庫化するリスクが増す

・将来使うだろうと思って備品を購入したが、結局使わなかった

・少し待てば、消費税率アップのデメリットをはるかに上回る、
 高機能な物が購入できるかもしれない

・設備投資を早めた場合、
 (将来の)更新投資のタイミングも早まる可能性がある

・消費税率が上がっても、
 販売不振で、逆に全体として値下がりするケースさえあり得る


等々、考慮すべきことは、山ほどあり、
消費税率アップは、そのような考慮すべき事項の一つに過ぎません。


ですので、
(もちろんケースバイケースではあるのですが)
個人的には、駆け込み購入は、積極的にはおすすめはしません。