それは、
「私が関与する目的は、あなたの手元にお金を残すこと。税金を減らすことではありません。だから、税金を払った方が、手元にお金が残るのであれば、下手な節税をせず税金を払え、というときもありますよ」
ということ。
実際のところ、仕訳を一つ追加すれば終了、とか、紙切れ一枚出せば終了、といった節税や、お金のかからない節税をして、さらに、常識的な先行投資をしたうえで、それでも利益が出てしまった場合には、何もせずに税金払ってください、と言うことのほうが多い気がします。たぶん、それが一番お金が手元に残るからです。
この話を聞いた社長さん。
きょとんとして、
「私も、税金を減らして、手元のお金を残すために、一生懸命車を買ったりして利益を減らしたんですけど、、、同じことじゃないんですか?」
・・・全然違います。
車を買う場合と、買わない場合と2パターンを真面目にシミュレーションすればわかるんですが、車を買ったら、間違いなく手元のお金は減ります。
なぜか?
税金は減っていますが、それ以上に車を購入するためにお金を払っているから、です。
もちろん、税金の支払「だけ」が減って、他が変わらないのであれば、手元のお金は増えます。
たぶん、普通の人は、節税といえば、こういう状況を想像しているのではないか、と思います。
当然、そういう節税は、私も、社長におすすめします。
でも、そういう節税法は、残念ながら、ごくごく一部。
逆に、世の中に出回っている節税法の75%くらいは、「経費の支払いが増える」と「税金の支払いが減る」とがセットになっている節税法です。
※節税になりますよ!と業者が売り込みに来るものは99%がこういうものだと思います
しかも、この節税法の特徴は、税金の減少額よりも、経費の増加額のほうが大きい、ということ。
こんな節税、やればやるほど、手元のお金は減ります。
冷静に考えれば、単に、事業で損をした結果(=経費が増えた)、税金が減った、というだけの話ですから。
資金繰りが楽になるはずがありません。
例えば、、、
「200万円の機械を導入したら、(長い目で見て)人件費が100万円減りますよ」
なんて言われたら、よほどの理由がない限り、断りますよね?
でも、
「1,000万円の車を購入したら、(長い目で見て)300万円税金が減りますよ」
といわれたら、何も考えずにフラフラと車を購入してしまう・・・。
でも、この2つ何が違うんでしょう?
同じですよね?
コスト削減のために、別のコストを余計にかけてしまっているところが同じです。
そんなの意味ないと思いませんか?
もう少し、例えて言えば、
節約のためと思ってコピー用紙に裏紙を使ったら、コピー機の故障が多くなって修理費がかさんじゃった、みたいな状況でしょうか。
あるいは、
健康のためなら、死んでもいい
というような感じでしょうか?
これは、ちょっと違いますかね・・・。
話を戻すと、結局、「税金を特別視しているから」おかしくなってしまうわけです。
税金の支払いも1円。
経費の支払いも同じ1円。
同じ1円なんですから、税金だけ目くじら立てて減らしても、他の経費が増えてしまっては意味がないわけです。
税金も、単なる経費の一つだと思って、経費を総トータルで減らしていく、という発想でコスト管理をしないといけない、ということです。
こういうマネジメントができないと手元のお金は残りません。
いずれにしても、税金だけ特別視して、税金を減らすことに注力していると、結果として、資金繰りに苦しんでしまいがちになります。
お気をつけください。
P.S.
どこかの本に、「吉本興業は、芸人に給料を払うくらいなら、税金を払ったほうがマシだ!」
というポリシーがある、なんて書かれていました。
本当か嘘かは知りませんが。
これは、ある意味、真実を突いている思います。
芸人さんに給料払うよりも、払わないほうが、確実に儲かりますから。
税金払っても、余裕で元が取れます。