消費税を請求していいですか? | 起業・創業支援-東京都の公認会計士・税理士@渋谷区・新宿区

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会社設立直後、消費税の納税義務はない。

こんなとき、請求額に消費税分を上乗せして請求していいの?


お客さんと話をしていて、よく質問される話です。



さて、果たして上乗せ請求が許されるのか?

その答えを書く前に。

いくつか、前提となる知識について説明をしておきたいと思います。


まず、1つ目。


消費税の導入経緯や、その計算の方法から、(相手の同意なく)請求額の5%を勝手に上乗せして請求する「権利がある」、というふうに考えている人が多いと思います。


でも、そうではありません。


お客さんとの間で合意した金額が10,000円であれば、10,000円しか請求できません。
お客さんとの間で合意した金額が10,500円であれば、10,500円の請求ができます。


結局のところ、相手と合意した金額より多く請求する権利はないのです。



そして、請求額をいくらにできるかは、純粋に相手との合意で決まります。

当然、消費税の納税義務があるか、ないかとの話は無関係です。


ですから、

消費税の納税義務があっても10,000円しか請求しなくても問題ありません。

逆に、消費税の納税義務がなくても10,500円の請求をしても構いません。

なんとなく、10,000円と言われると消費税が入っていないように見え、10,500円と言われると消費税分が入っていそうな雰囲気に見えてしまいますが。

それは、単なる雰囲気の問題で、実際の消費税の納税義務とは無関係な話です。



さて、次に、前提知識の2つ目です。

それは、
請求書や見積書の内訳として、消費税相当額を書いてもいいのか?という話です。

これは、「あなたの自由です」。
なぜなら、単なる内訳だから。

売上額のうち105分の5を「消費税分ですよ!」、と書くのはあなたの自由です

実際にそれを、消費税として納税するかしないかは関係なし、ということです


そもそも、請求書や見積書の内訳なんて、相手の納得感を得るために書くものですから。
相手が納得してくれれば、それでいいわけです。


例えば、コンサルティング会社で、ありそうな事例なのですが、見積書に「偉い人が10時間働きますので @30,000円×10時間=300,000円請求します!」なんて内訳が書いてあったとしましょう。

ところが、実際、その人は30分しか業務にタッチしなかった・・・。

よくよく考えればウソじゃないか!ということになってしまうわけですが、所詮は単なる請求額を計算するための計算過程です。

相手が納得してさえくれれば(←ここが重要なんですが)、内訳が適当であっても、結果的には請求してしまってもOKということです。


同じように(?)、見積書の内訳として「消費税500円」と書く分には自由なわけです。

もちろん、書かないのも自由です。


消費税の納税義務があるから、内訳に消費税を書かないといけない、というルールもないですし、

消費税の納税義務がないから、内訳に消費税を書いてはダメ、というルールもありません。


結局、
 どんな内訳を書いていようと、結果的に、請求総額について相手が納得してくれればOK、ということです


ということで、最初の疑問
「請求額に消費税分を上乗せして請求していいの?」
についての回答は、

請求を上乗せすることについて相手が同意してくれていればOK

という、当たり前の結論になります。


例えば、消費税を納税する義務はないんだけけれど、なんとなく受注金額は10,500円にしたいな、という場合。

とりあえず、見積もりに
「10,500円(本体代金10,000円、消費税500円)」
と書いて、相手の同意を得る

その上で、10,500円を請求して入金してもらう。

これなら、全然問題ないわけです。


もちろん、内訳なんか出さず、単に「10,500円」の見積もりを出して、相手の同意を取っても、結果は一緒です。

結局、ポイントは、「消費税を請求するかしないか」、でなく、「総額いくらで価格の同意をとるか?」。
それだけの話、ということです。

どういう見積もりの出し方でも「10,500円」を支払ってくれやすそうな交渉をすれば、結果は一緒になります。


※あくまで、相手が「請求を上乗せすることについて同意してくれていれば」、というところがポイントです。事前に同意が得られていないのに、消費税を勝手に乗せるのは(建前としては)ダメですので気をつけてください。

例えば、見積もりでは単に10,000円としか書いていないのに、請求時に「勝手に」10,500円の請求をかけてくる人がいます。

この場合は、相手に払ってもらえないとしても、文句は言えません。

なぜなら、事前に取れている合意は10,000円払う、ということで10,500円払う、という合意ではないからです。

冷静に考えると、この行為は、単なる「事後の値増し」ですから、(少なくとも私は、)こういう行為をする人は相当悪印象です。

いずれにしろ、こういうトラブルを防ぐためには、交渉時に、「その金額って消費税抜?消費税込?」ということは事前に確認しておくことをおすすめします。



結局、消費税を請求していいかどうか?というのは、単なる「価格交渉の問題」ということになります。

見積書とか請求書に消費税名目で5%ONしたものを持っていって金額交渉すると納得感が得られやすいのであれば、消費税相当額乗せて価格提示してみれば?

という程度の話だということです。