会社を新規設立する代わりに、
知り合いの休眠会社を使って起業する、という手法があります。
なぜ、そんなことをするのか。
その理由のひとつに、「設立年度が古い方が信用されそう」という理由があります。
確かに、会社の決算や業歴などに深くつっこみを入れる気がない人には、
効果があるかもしれません。
例えば、あなたの会社のお客さんの立場で、あなたのホームページを見た場合。
「平成21年2月設立」と書くよりも、
「平成元年4月設立」と書いてある方が、安心な気分になるかもしれません。
ところが、会社の決算や業歴を深く見る人にとっては
逆効果になる可能性があるのです。
会社の決算や業歴を深く見る人の代表例は、
銀行、日本政策金融公庫(国民生活金融公庫)などの金融機関です。
例えば、創業後すぐに、日本政策金融公庫に借入の申し込みを受ける場合を
考えてみましょう。
休眠会社を買って、新規創業をした場合であっても、
通常の会社と同様に、過去数年分の決算書・登記簿謄本の提出を求められます。
で、こんな書類を見せられると、融資の審査担当者はどう思うでしょうか?
・前期の決算書の売上が「0円」
・登記簿謄本を見ると、役員は総替え
・会社目的も変更され、本店の場所も移転されている。
はっきりいって怪しいです。
そもそも、会社自体に信用力がある、なんていう話ができるのは、超一流企業だけ。
中小企業の信用=経営者の信用、といっても過言ではないでしょう。
ですから、役員が総替えになっている時点で、過去の信用力はなんの役にも立ちません。
それどころか、逆にマイナスに働いても不思議ではありません。
というのは、想定外の債務が出てくる可能性が否定しきれないからです。
例えば、休眠した原因は、かつての本業がうまくいっていなかったからではないか?
ひょっとしたら、債務を背負ったまま、しらばっくれて休眠しているだけで、
活動を再開したら、かつての債権者から金返せ!と言われるのかもしれない・・・
こういう可能性を否定できないわけです。
ですので、融資担当者からは、
・会社を譲り受けた理由
・その会社で過去どのような活動がされていたのか
等を根ほり葉ほり、聞かれることになるでしょう。
しかも、大変なのは、本当に、やましいことが一切ない場合でも、
「やましいことは何もない」ことを証明するのは、事実上不可能、ということです。
つまり、いくら説明しても融資担当者を100%納得させることは難しい、ということです。
一方で、新規設立なら、このあたりの説明をする必要はないですし、
融資担当者に怪しまれることはありません。
また、休眠会社の場合、決算書が作られていなかったり、
法人税・地方税の申告が行われていない、なんていうケースは結構あります。
しかるべく手続きをとらない限り、毎年、住民税7万円を納付しなければ
いけないのですが、収めるべき税金を納めていない、というケースもあり得ます。
当然、こんな会社がお金を借りられる可能性は低くなります。
ということで、休眠会社を譲り受けて新規創業、というのは、
資金調達の面から見ると、ほとんどの場合マイナスの効果しかありません。
今なら、株式会社設立を業者に丸投げしても25万円もあれば、おつりがきます。
創業するなら、その部分のお金はけちらないことをおすすめします。