気になる日本(159) | 俳句の里だより2

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内閣支持率が上昇?

 

最近の世論調査によれば、岸田内閣の支持率が増加しているという。昨日は「憲法記念日」だったが、その憲法第9条にある「戦争の放棄、戦力を保持しない」を無視して、集団的自衛権の行使を可能にしたり、反撃能力(敵基地攻撃能力)を高めるために、防衛予算を倍増し、莫大なカネを使って米国から戦闘機その他の武器を大量に購入ことを、国会に諮らず自分達内閣の閣議決定で決めてしまう。その一方で、緊急を要する少子化対策や貧困者に対する対策の予算は、ほとんど増やすこともしない。表向きは「異次元」などという国民を欺く言葉を用いているが、その中身は全くと言っていいほど無策と言ってよい。さらに、今世界で話題となっている性的少数者の権利保護や同性婚に対しても何の対応もせず、今月下旬に開催されるG7サミットでも世界から批判の的になっている。

 

こんな多くの一般国民の要求や願いを無視し、一方で憲法第9条に違反する集団的自衛権の行使や反撃能力の強化(防衛費の倍増、武器の大量購入など)を、自分たち内閣だけで決定する岸田内閣の支持率が微増ながら上昇するとは、何とも不可解であり、本当に適切な世論調査が行われているのか誰しも疑いの目で見ているようだ。ネットなどにも、「岸田内閣が世論調査会社や新聞社に対して情報操作をやっているに違いない」などのコメントが溢れているという。もちろん、その前に行われた国会議員の補欠選挙で与党自民党の候補が接戦ながら当選したり、統一地方選挙などでも優勢だったことから、あまりの野党の不甲斐なさが手伝ったとも言えるが、それらを考慮しても支持率が上昇するとは、そうなっているのであろうか。誰かこの「異常な現象」を解説できる者がいれば教えて欲しいものだ。

 

以前の安倍内閣も菅内閣も、内閣人事局をフル活用して官僚を牛耳り、内閣として好き勝手なことを繰り返して「モリ・カケ疑惑」「桜を見る会疑惑」「検事長任命疑惑」「学術会議任命拒否」など数多くの問題を起し、その挙句が公文書の改ざんや国会での虚偽答弁を頻繁にするなど、どうしようもない酷い内閣だった。そのため、当初一般国民の多くはそのあとを継いだ岸田内閣にクリーンさを期待したはずだったが、それもすぐに安倍首相の国葬問題で「やっぱりダメか」「同じ穴の狢だったか」とすぐに失望し、岸田氏が強みと豪語した「聞く力」も結局は国民の声を一切聞く耳を持たないことがバレてしまい、早々に希望や期待はどこかへ吹っ飛んでしまった。

 

それどころか、岸田氏の新たなキャッチフレーズである「新しい資本主義」や「異次元の少子化対策」なども、その中身の乏しさ、貧しさが国民に暴露され、故安倍氏と同様にキャッチフレーズ倒れとなった。それ以上に、まともな政策を何もしないというか何もできない「無能内閣」がバレてしまい、それを覆い隠すために「防衛費の倍増」などという一般庶民を驚愕させるようなことを勝手に閣議決定し、しかもこれまでの内閣の「専守防衛」を無視して憲法違反である「敵基地攻撃能力」のための戦力・武器大幅強化に転換した。これにより日本はいつでも仮想敵国である中国や北朝鮮、あるいはロシアからも戦争の脅威に怯える羽目になった。

 

ともあれ、こんな以前の安倍内閣や菅内閣よりも「無能内閣」である岸田内閣の支持率が上昇したとの「驚きのニュース」「不可解な現象」は、「世論調査は全く信用ならないもの」あるいは「一般国民が馬鹿だから」という回答以外で、説明できる者がいれば説明して欲しいものだ。私自身は、一般国民はもっと賢明な人々であると信じたいが、それはあまりに楽観的な考えかもしれない。