父親を殺された少年は仇を討とうと誓いますが、首尾よく恨みを晴らせたとしても、同じ
ように相手からも恨みと憎悪を受けて、同じように復讐されるかも? そして銃には銃を
死には死を、と殺し合いを繰り返すはめに。 それでも、彼は───。
けれども、彼が本当に復讐すべき相手は・・・誰なのでしょう?
パパを殺した特定の個人? 敵国イスラエル? それとも・・・過去の歴史? 或いは神?
私には分かりません。 分からないだけに、どうしようもない悲しみが募ります。。。
「過去」に怒りと思いと持ち続けているうちは、新たな「未来」は生まれないのに。
一度この悪夢のようなサイクルに陥ってしまえばもう抜け出す手立てはないのでしょうか?
(ドチラカガカンゼンニゼツメツシコノヨカラキエレバカイケツ、という答えは無しですよ!)
かつて不当に虐げられ、或る時期なんぞは政治政策として絶滅を望まれるほど憎悪された民族
が、今度は他の民族をまったく同じように(以下省略)
【アウシュビッツ強制収容所】
【壁で囲われたガザ地区】
上掲の少年たちの画像は、現在のものではありません。2~3年前のものかな。ガザ地区の
子どもたちを対象としたサマーキャンプという名目の軍事訓練の様子ですが、パレスチナ対
イスラエルの慢性的な争い(しかし、武力・軍事力の差で圧倒的にイスラエルの勝ちなの!)
の中で父を殺害された少年を取り上げたものです。 ↓画像は以下のyoutubeから頂きました
youtube ⇒⇒⇒【戦争と子どもたち】お父さんが死んじゃった! 涙の13歳少年が・・・
ずっと以前、軍事に詳しいさる知人が、世界の軍隊の中でダークホース的に一番強い国は
アメリカでも中国でもなく、それはイスラエルだ、と言っていました。(真否は不明ですが)
理由は、彼らにとっては現在の国が最後の砦であり決して譲れない場所、もう後がない!
とのことでしたけれど・・・祖国を持たない民族として、アウシュビッツに代表される悲劇
の後、たどり着き、ようやく建国できた国だから、死にものぐるいで闘うんだ、とのこと。
最後の最後の”約束の地”だから、と・・・。
【シオン、約束の地~画像引用:コトバンク】
約束? 数千年前にヤハウェの神と交わした約束? 神サマとの約束って有効期限はナイの
かしら? などと罰当たりなことを考える異教徒のワタシですが・・・失礼しました(笑)
もっと現実的に、近代に戻って、WW2前後に時計の針を元に戻し、大英帝国サマの
二枚舌いや三枚舌外交に翻弄される以前に戻すことも出来ないし(怒)
───第一、そこには既にパレスチナの人々が・・・納得のいかぬまま争いを続けて、
そうして、戦いを重ねるごとにパレスチナの領地は減り不利になっていく。
日本の諺で言う『軒を貸したら母屋をとられた』という心境に近いのかもしれませんが・・・
ユダヤの人々が、ナチスの”最終解決”とやらのために、まるで家畜のように運ばれて行った
歴史的な悲劇は世界中の人の知るところなのだけれども、今回、イスラエルの首相がパレスチナ
の人々のことを”人間の姿をした動物”と呼んだけれど、単なる罵倒ではなく”動物”と
呼ぶのはかつて自分たちがそう呼ばれたことがあるからですか?
動物並みに扱われ、家畜のように●●されたことがあるからですか?
【画像引用:引用:『グラフィック版アンネの日記』】
パレスチナの地で、軍事訓練に励む少年たちの姿を見ているうちに、私の心に浮かび上がる
のは、彼らと同じ年頃の或る少女・・・ナチスに捕らえられ、収容所で14歳の命を
終えた少女、民族的には彼らと真逆の立場にあるんだけど、その苦しみは同じではないかと──
ナチスの手を逃れ隠れ家生活を送った日々──逮捕される直前まで己の心情のままに不自由な
暮しぶりや十代の気持ちを(性的な面も含めて)綴った日記は今も尚わたしの心を打ちます。
誕生日プレゼントとして父親から贈られた日記帳に”キティ”と名付け、誰にも言えない秘密を
どうか私のために、大きな心の支えとなぐさめになってくださいね。
読み進むうちに、平和な世には考えられない状況時代の中で生きた彼女の声が、真っ直ぐに
私の心に届くような、彼女から話しかけられているような・・・そんな気持ちになってきます。
悲観と楽観が交互に綴られているのが、とても正直で素直な感じなんだよね。
もともと人間には、破壊本能が、殺戮の本能があります。
殺したい、暴力をふるいたいという本能があります。ですから、全人類が一人の例外も
なく心を入れ替えれない限り、決して戦争の絶えることはなく、それまでに築かれ、
培われ、育まれてきたものは、ことごとく打ち倒され、傷つけられ破壊されてすべては
一から新規まき直しに始めなくてはならないでしょう。
こういう時代の難しいところはそこです。
引用:『グラフィック版アンネの日記』
私には、混乱と、惨禍と、死という土台の上に、将来の展望を築くことなどできません。
この世界が徐々に高配した原野と化してゆくのを、私はまのあたりに見ています。
(中略)
幾百万の人々の苦しみをも感じることができます。
でも、それでいて尚も、顔をあげて天を仰ぎ見るとき、私は思うのです。
───いつかは全てが正常に復し、今のこういう惨害にも終止符が打たれて、平和で
静かな世界が戻ってくるだろうと、と。
引用:『グラフィック版アンネの日記』
そのかみにユダヤの少女記しをり
混沌(カオス)乗り越へ希望こそあれと 灰色の猫
───中東の地に、一日も早く平穏が訪れますように!
異教徒の身こそ祈れり中東の
神よ神よ神の御業(みわざ)よ 灰色の猫
それでは今日はこの辺で・・・年内ものすごく多忙になりそうなのでどれだけ記事をアップ
できるか分かりませんが、まずはここまでお読み頂きありがとうございました。
あ、最後にもう少しだけ・・・
私たちの中に芽生えた理想も、夢も、大事に育んできた希望も、恐るべき現実に直面
すると、あえなく打ち砕かれてしまうのです。
実際自分でも不思議なのは、私がいまだに理想の全てを捨て去ってはいないという事実
です。
だって、どれも余りにも現実離れしていて、とうてい実現しないと思われるからです。
にもかかわらず、私はそれを捨てきれずにいます。
なぜなら、今でも信じているからです───たとえ厭なことばかりでも、人間の本性は
やっぱり善なのだということを。 引用:『グラフィック版アンネの日記』