旅行会社の業界団体、日本旅行業協会(JATA)は、冷凍ギョーザ中毒事件や、チベット問題、四川大地震などの影響で低迷する中国旅行 のてこ入れを図るため、視察団を四川省などに派遣する。中国の観光当局と集客策を協議するほか、世界自然遺産の九寨溝(きゅうさいこう)の現状を確認する。各旅行会社は夏休み期間の中国 旅行商戦で苦戦中で、人気回復への取り組みが急務となっている。
 日本旅行 は7月25日、トラベレックス・ジャパンと提携して「キャッシュパスポート」の発行、販売を開始する。これはビザ・インターナショナルの協力によるもので、渡航前に海外で必要な資金を入金しておくことで、170ヶ国100万台以上のVISA/PLUSマークのあるATMで現地通貨が引き出せるプリペイドカード 。通常のキャッシュカードと同様に暗証番号の入力で引き出せる。また、紛失や盗難に備えカード発行時にスペアカードを用意するほか、紛失した場合は専任スタッフが24時間365日体制でサポートする。円建てとドル建ての2種類あり、入金の上限額は100万円または1万米ドル。手数料は入金時が入金額の1%、引き出し時が250円または2.5米ドルとなる。

 店舗窓口で必要事項を記入し必要な額の入金が完了すると、その場でプリペイドカード を発行する。首都圏の店舗から取り扱いを開始し、8月1日からは首都圏以外の店舗にも拡大する。日旅では、クレジットカード決済が普及しつつあるものの、海外渡航者の外国通貨へのニーズは今後も高まるとみており、旅先で複数の通貨が必要な場合やこれまで多額の現金を持ち出していた人などに安全性と利便性をアピールする。

 なお、発売を記念して9月30日まで、全国400ヶ所の日旅および日旅グループの店舗で海外旅行の申し込みに合わせてキャッシュパスポートを発行する人全員に、1000円分のトラベルマネーをプレゼントするキャンペーンを実施する。
 JTB(東京都品川区、田川博己社長)はこのほど、2008年夏休みの旅行動向に関する調査の結果を発表し、経済の先行き不安感や燃油サーチャージの高騰などの影響で、海外旅行に行く人の数は2年連続で前年を下回るとの予測を示した。中国本土行きの旅行者は前年同期比36.6%減の24万人となる見込みだ。

  調査は7月15日―8月31日の夏休み期間に行く1泊以上の国内外への旅行について、全国の1200人を対象に行ったもの。

  JTBでは中国本土への旅行 に関して「北京オリンピックを機に関心が高まり、五輪終了後に四川大地震などの影響で減少した旅行者数が復活すると期待されている」と説明した。

  中華圏 の他の地域への旅行者数は、香港が前年同期と同じ9.9万人、台湾が4.4%減の13万人と予想した。
中国 当局は6月30日、台湾ツアー解禁を前に、中国から初めてとなる団体旅行客たちはマナーを守った振る舞いをするだろうと述べた。同時に、観光客らには良い大使となるよう呼び掛けた。

 中国 では、好景気を背景に国民の所得が増え、海外旅行に出掛ける人数も増加。6月に中国からの台湾旅行解禁で両国が合意したのを受け、今週末には中国人旅行客約800人が台湾を訪れる。


 旅行先の国々では、中国旅行 客がもたらす経済効果を歓迎する一方、つばを吐くといった振る舞いに対する苦情も出ている。台湾では、一部の人々が中国人観光客が騒いだり、列に割り込んだり、政治観を押し付けたりするのではないかという懸念を表明していた。

 旅行会社で構成する日本旅行業協会(JATA)は25日、4―6月の「旅行市場動向調査」をまとめた。海外旅行 の景況感を表す業況判断指数(DI)はマイナス53となった。1―3月はマイナス33で、07年10-12月より22ポイント悪化していたが、今回はさらに20ポイント低下した。燃料価格の高騰に伴う燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)の上昇、四川大地震などの影響による中国 旅行の低迷が響いた。

 DIは、需要動向が「良い」とした旅行会社の割合から「悪い」とした会社の割合を引いた値。

 地域別にみると中国 とオセアニアがマイナス60だったほか、北米はマイナス52。最も高かったアジアでもマイナス24だった。客層別でも「学生」がマイナス75となるなど、すべての層でマイナスだった