だいぶ前ですが、このブログでも取り上げたことがある、中国の小さな村が世界一の金持ちに村になってどえらいホテルも建てたという話を取上げたことがある。その村の顛末記が紹介されていたので取り上げます。予想していたような結末になったようですね。

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中国経済カウントダウン!テレ東BIZで話題の中国一の金持ち村、華西村。去年に実質上破綻していた!?

取材規制にプロパガンダ利用も!?|上念司チャンネル ニュースの虎側

    ↓(ウィクペディア)

華西村(かせい-そん)は中華人民共和国江蘇省無錫市江陰市華士鎮に位置する村。華西村の前身は1961年に設置された華西大隊である。人民公社制度が廃止された際に華西村と改称された。村の初代党委書記である呉仁宝(中国語版)は、文化大革命時代に小さな秘密の工場を設けて自給自足の村運営を目指し、中国共産党政府が改革開放を行ってからは徹底的な集団化経営で成功して中国各地の農村のモデルとなった。全ての村民に豪華な一戸建の住宅と高級車を無償支給して食費と教育費や医療費の無料化なども行い、2009年には中国世界紀録協会により天下第一村(中国で最も豊かな農村)として認定され、「世界一豊かな農村」とも呼ばれていた。2011年には50周年を記念して村人が1人当たり1000万元(約1億円)を総工費に出費して借金を負わずに空中華西村(英語版)を建設した。しかし、2013年に呉仁宝が死去してからは数百億元ともされる巨額の債務を抱え、2016年時点で389億元に上るという。

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その後・・・

   

日経新聞記事 ↓

ダイヤモンド記事 ↓

  ↓ 全文

 2017年4月13日 莫 邦富 :作家・ジャーナリスト
中国で農村の模範だった「金持ち村」はなぜ凋落したのか
華西村には、農村には似つかわしくない巨大なビルが建設されている 
 江蘇省江陰市には「金持ち村」と呼ばれる村がある。華西村だ。1990年代に私が数度取材したところだ。
 華西村は、早い段階から豊かな村として知られており、「中国第一村」と呼ばれるほど集団化経営に成功したと言われた存在である。80世帯、1520人、面積がわずか0.96km2という小さな村だ。
 1997年にこの村を訪ねたとき、すでに多くの農民の家に自家用車として軽自動車が配給されていた。村営製鉄所や村営衣料品工場などが、村民たちの豊かな生活を保証していた。村のリーダーである呉仁宝氏は、毛沢東の人民公社時代に、朽ち倒れんばかりのぼろ家に豆腐工場をひそかに設けて、現金収入を確保していた。

●豆腐工場から身を起こし工業化に成功した村
 党の上層部が検査に来ると、豆腐工場であるぼろ家に藁などをかけて、ばれないように偽装してごまかした。のちに人民公社が解散して、農業経営が自由になったとき、他の村の農民は農業に専念することしか知らなかったが、呉氏率いる華西村は郷鎮企業の雛型を形成し、工業化の道を先に踏み出していた。
 当時、私のインタビューに対して、呉氏は次のように強調した。
「先に踏み出したその一歩は、非常に大きな意味をもっていた。販路、市場、経験など市場経済の分野ですべて私たちがリードする形で走り出すことができたからだ。それが今になって他の農村を大きく引き離し、私たちに大きな成功をもたらした」という言葉が印象的だった。
 2004年、同村の村民はすでに1人当たり所得が12万2600人民元になっていた。これは、普通の農民の年収の42倍近くに相当する。その成功を武器に、周辺の村をどんどん合併すると同時に、貧困で有名な寧夏回族自治区に「寧夏華西村」を、ロシアと隣接する黒竜江省に「黒竜江華西村」を作るなどして、勢力を拡大していた。そうした華西村の成功を見習って、多くの村も自発的に合作社を作り、集団化経営の道を歩み始めた。
 私は、中国の農村のなかで改革の先頭を走ってきた村としてメディアで何度も華西村を紹介し、上記のような内容を日本の読者に伝えた。

●村民のカネを乱用し成金趣味のホテルを建設
 しかし、実際、香港返還の年に当たる1997年のその取材で私は華西村に対する印象をかなり悪くした。
 村の象徴的存在とされた「金塔」というホテルを案内されたとき、そのダサさと成金ぶりにあきれた。私は、案内係に「こんな建物を作る必要は果たしてあるのか。必要だとすれば、もっとましなデザイナーに頼んだ方がいいのでは」と率直な印象を口にした。案内係が慌てて私の口を塞いで、「案内の責任者は呉氏の息子さんで、その批判めいた発言がもし彼の耳に入ったら、あんた村から追い出されてしまう。この村では、批判的な発言は控えた方がいい」と私に忠告した。
 好意的とは言え、その忠告という行為、そしてその内容に私は驚きを覚えた。文革時代への逆行を感じたからだ。
 村中に点在していた大きな動物と、歴史上または文学上の聖人たちの彫刻がアンバランス的な雰囲気を醸し出している村の一角に、万里の長城の巨大なミニチュアが配されている。そこを案内された私は、「この長城のミニチュアの長さは1997mで、香港返還の1997年を記念するものだ」と呉氏の息子から説明を聞いた。
「なぜこんなものを作るのか。村民のお金を乱用しているのでは」と心の中ではそのように不満をぶつけていた私は、できるだけ軟らかい表現で疑問を伝え、その真意を確かめてみた。そこでまた不思議な思いに見舞われた。
「どうして疑問を持つのか?香港返還は私たち中国人の一人ひとりにとっては非常に大事な出来事ではないのか」と息子から逆に聞かれたからだ。
 それ以上、質問しても意味がないと悟った私は、それ以降、何も聞かなくなってしまった。そして、心の中で「この村にはもう来ないだろう」とつぶやいた。村営企業で村の発展と村民の福祉を支えるビジネスモデルと集団化経営を貫く村の成功経験は、中国の農業経営の問題を解決していない、と認識したからだ。
 だから、私は日本のメディアで、「経済が発展し、競争が激しくなった今の中国では、技術レベルが低い製鉄所と、衣料品やインスタントラーメンを加工する町工場的な企業で、集団化の成功村の躍進を引き続き支えていけると思うか」と聞かれると、「強く疑問に思う」と答えている。

●コア技術と研究開発力を持たない金持ち村は窮地に立たされている
 最近の中国メディアの報道によれば、2016年3月末現在、鉄鋼、紡績、資材、商業など5つの分野で、傘下企業208社を抱える華西集団は、総資産541.93億元(約8670億円)である。しかし、同集団の負債総額は389億元超、資産負債率は約69%だという。
7割近い負債率は、従来の産業モデルが日ごとに衰えるのに伴って、かつて中国農村経済の模範だった華西村が岐路に立たされ、モデルチェンジが避けられないことを物語っている。
 現在、華西集団は博豊鋼鉄、華西北鋼、華西南鋼などを擁している。鉄鋼加工では、華西集団は華西村に型材工場、フランジ工場、帯鋼板工場、溶接管工場、曲がり管工場などを相次いで建設し、鉄鋼加工の産業チェーンを構築した。
 だが鉄鋼業の不景気で華西集団の3大鉄鋼企業は全面的な赤字となった。
 2008年の金融危機後、海運企業の大多数が赤字となり、船舶を売りに出す形で損失を埋めた。当時、華西村はむしろこれを海運業界に参入する千載一遇のチャンスだと踏んで、5隻の船を中古で安く購入し、海運業に足を踏み入れた。その海運業も大きな赤字を作っている。
 コア技術と研究開発力をもっていない華西村のような中国の「金持ち村」はこのところ、相次いで窮地に立たされている。突破口がどこにあるのかという基本的な課題さえもまだクリアしていない。村の経営は、今後、ますます凋落していくだろう。
(作家・ジャーナリスト 莫 邦富)

 ↓ BBCの解説記事

・・・・・・・・・・・・・・・・・(日本語訳で読める)

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この華西村は、中国人の典型的な「経済行為」だろうと思えます。この村のことは張るか以前に取り上げていたと思います。私も注目しましたが、まさに『中国式』だと思いました。経済的合理主義を感じませんでしたし、「禁欲主義」とは無縁の行為でした。

この村の指導者となった豆腐屋の呉仁宝の成功物語であるのですが、共産支配という異様な社会体制の下では、「近代的」な経済行為は中途半端に終わってしまったし、最後は共産党の介入で歪んでいく。

呉仁宝の経済活動は紀伊国屋文左衛門の蜜柑船のような話と言える。「経営」のようで経営でない。「持続の計算」がない。まさに中国の高度成長の特徴である「投資」と「借金」による成長物語でしょう。「近代資本主義の精神」は生まれませんでした、・・・という物語りなのです。

呉氏の言葉にあるように、「先に踏み出したその一歩は、非常に大きな意味をもっていた。販路、市場、経験など市場経済の分野ですべて私たちがリードする形で走り出すことができたからだ。それが今になって他の農村を大きく引き離し、私たちに大きな成功をもたらした」ということです。

中国という歴史的な環境、また文「持続」をキーワードにしない社会文化を創り出しているのだろう。

いずれにせよ、改革開放路線にうまく乗って、先頭を走ったことが成功の秘訣であったが、「持続」する合理性がなかったのだ。

⇒この村は中国経済の縮図であると言ってよいでしょう。

つまり、成長のパターンの先例でもあるが、破綻の先例でもある。そしてその負債による投資依存型の体質は、経済構造そのものに起因するわけで、コア技術と研究開発力をもっていない華西村のような中国の「金持ち村」はこのところ、相次いで窮地に立たされている。》

という獏氏の指摘する通りなのです。この指摘は中国経済全般に言えることでしょう。またBBCの記事には

華西村の「立ち上げ」を助けた鉄鋼の原材料であるスクラップレール鋼は、実際には非常に強力であると語った。 インサイダー取引です。」

という実情を知る人のことが書かれているように、経済行為に「不正」があるとも言えるでしょう。だがこれが中国式資本主義なのだと言えます。

今日は10月15日ですが、朝のNHKニュースで中国の貧富格差問題が取り上げられていましたが、共産主義の理念とは程遠い実態でしょう。弱者はますます窮地に陥るでしょう。豚を飼う男性は都市の工場で働き、舌癌になり帰村して、今は妻の仕送り2万円に頼り、「政府は何もしてくれない」と語る。他方でゴルフ練習場が紹介されて、金持ちの若い女性が月収の100万円のゴルフ用具を買うのが紹介されていた。

どの社会にも多くの矛盾があるけれど、この国ほどインチキな国はない。しかし、このインチキさは4000年も続いており、それが中国なのだ。

アメリカにも似た光景はあるが、何が違うのか。金がなければ病気にもなれないのは、米中ともに同様だ。どちらに住みたいか?ここで明瞭に米中の違いが際立つのが、『自由』の存在であり、有無であろう。その自由とは「政治的な自由」です。政治に「参加する自由」と、「政治から逃げる自由」の相違でしょう。

人々の暮らしが貧富の存在を前提にしたときに、どちらの政治形態が人々にとって「よろしいか」という選択の問題なんですね。でも中国にはそれを選択する「自由」がないと言えます。ますます歪な社会が出現するでしょう。

私のような「プアー老人」が、安心して癌の手術を受けられるこの国に感謝しています。少ない年金で、今後どうなるのか不安ですが、中国のニュースを見ていると、自分の性格からみて、当の昔に権力に盾突いて悲惨なことになっているでしょう。

 

世界の歴史を見て、共産主義というのは人間を歪(いびつ)にする思想であったとおもいますね。今もって共産党を支持していたり、党員でいる人たちが不思議でなりません。ロシアや中国は、ブルジョア革命・市民革命を経ておらず、いきなり共産革命になってしまいました。その二国がともに専制国家になってしまいました。

それを見ていて、なお共産主義を唱える政党や思想に染まるのが不思議です。

ただ、世界の流れとしては、近代以前の文明になっていくのかとも思いますが、ヨーロッパは保守化していく、つまり伝統に還る傾向にあると言います。

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  ↓ コメント

世界が大きく伝統に回帰して行きますます。

伝統に回帰する。日本もそうありたいですね。

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【中国・北京】「独裁」「国賊」“習主席を批判”する横断幕 国営メディアは一切報じず テレNEWS

 

 ↓ コメント

*私は中国人です、残念ながら、このような声は国内では見えません。ウェイボーなどの中国のソーシャルメディアはこの事件について完全に禁止されました。北京、四通橋、これらの言葉は禁止語になりました。こちらは勇士で、彼を尊敬しています。中国で異なる政府の立場の声を出すと命の代償を払います。ゼロ政策は確かに多くの人が死亡しました。多くの人が防疫政策で死亡し、疫病そのせいではありません。これは皮肉です。この紳士もゼロ政策で職を失い、途方に暮れてこの選択をしたようです。しかし、周りの中国人はただむやみに見ているだけで、彼がやったことが理解できなくて、彼がなぜそうしたのか知っている人もいますが、もし周りの人も彼の行動を支持するなら、この独裁国家では、死ぬことです。だから本当に悲しいです。(Google翻訳を使うので、文法に問題があるかもしれません。すみません。)

*勇気ある行動に敬意を表します。アリの一穴になることを祈っています。

*国民は自国の状態をしっかり認識してるってことか

*個人の人権も表現も行動も自由もない国

*このように、政府による情報操作が簡単にできる国と我々日本は隣り合っているということを理解しなければいけない。

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華西村は中国の縮図です。

現在・今後起こること

外国との関係 ⇒*米国のDS勢力の撤退→ソロスの中国離れ→国際資本の引き上げ

        *ヨーロッパの企業の撤退・・欧米日企業ので脱出 

        *→貿易減少、失業増大

        *保有外貨の減少⇒取引の信用問題

国内外債務問題⇒*不動産バブルの崩壊

        *鉄道債務及びインフラ投資債務

        *地方政府の債務 

        *対外債権の不良債権化   

国内問題   ⇒*高齢化と少子化問題

        *未富先老→

        *自然災害      

         

金融危機と社会騒乱の発生

 習近平の5年で、方向が変わることはまずないだろう。このままずるずると手も打てずに推移するのではないか。中国の財政危機と、共産党の財務はどうなっているんでしょうかね。

銀行の倒産が地方ではもう起きていますからね。どこまで崩壊するのか、また回復はどうなるのか。台湾への攻撃など無理ではないのかな。

華西村の人らが逃げ出しているというように、「脱出」するのかもしれないですね。