石橋をたたいても渡らない日銀 | 経済あらかると

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 円安が続く中で、日銀はやはり政策金利を据え置きました。そして直前に日経新聞などに「国債保有減額」をリークしましたが、本日の会合では「減額の方針を決定」にとどめ、具体的な計画は次回に先送りしました。このため、6月、7月は従来通り、月6兆円をめどに買い入れを続けることになります。

 

 この決定を受けて、株式市場は安堵の買戻しに出ましたが、為替市場は157円台後半まで円安が進みました。前回決定会合では通貨防衛型の利上げも議論されている中で、政府や周辺からの圧力で利上げは先延ばしを余儀なくされたようです。そして円安抑制のために国債減額を使うにしても、直前にリークした割に、即決できず、「方針を決定」にとどめ、これも先送りしました。

 

 事前に石橋をたたいたのですが、今回は橋を渡りませんでした。ショック回避の手段として、市場に事前に情報を流すやり方を続けていますが、市場配慮のあまり、却って円安を助長している面があります。