輸出は価格重視も貿易赤字続く | 経済あらかると

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 財務省は本日、5月の貿易統計を公表しました。輸出は金額ベースで前月比1.2%増、前年比13.5%増となりましたが、数量ベースでは前年比0.9%減で、貿易収支も2か月連続の赤字となりました。5月は輸入価格が11.6%の上昇に対して、輸出価格は14.5%の上昇で、輸出価格を重視し、交易条件も改善していますが、価格高もあってか、数量の減少が続いています。

 

 5月の輸出金額を押し上げたのは自動車の13.6%増で、米国向けが34.0%増と大きく伸びました。仕向け地別でも米国向けが23.9%増、中国向けが17.8%増となった一方、EU向けは10.1%減となりました。米国向けは価格が16.1%上昇、中国向けは18.3%上昇と、円安もあって価格上昇が目立ちます。数量では米国向けが6.7%増の一方、中国向けは0.4%減となっています。中国向けは半導体製造装置が金額ベースで前年比2.3倍増となりました。

 

 GDPへの外需の影響を見るために、日銀の実質輸出入を見ると、5月の実質輸出は前月比1.4%減、4-5月の水準は1-3月比0.4%増と微増にとどまりました。

 実質輸入は5月が前月比0.7%減ですが、4-5月平均では1-3月比2.4%増となり、ここまでは「外需」がGDPに対してマイナスの成長寄与となります。