経済あらかると

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 昨日は中国の金融緩和策を受けて、中国株が大きく上昇しました。これもFRBさまさまです。中国は実質ドル・リンクの国で、米国が利下げをしないと中国も金利を下げられません。そこへ先週、FRBが突然0.5%もの利下げをしてくれたために、中国もようやく緩和余地が生まれ、金融緩和に動くことができました。

 

 中国は預金準備率を0.5%引き下げる決定をしました。これで新規融資を1兆元創出する計算となります。またレポレートを0.2%引き下げ、1.5%としました。また中期貸出ファシリティ金利を0.3%引き下げ、プライムレートを0.2%から0.25%下げることになります。

 

 また不動産対策として、頭金規制を住宅価格の15%に引き下げ、住宅ローン金利を0.5%引き下げます。これは5000万世帯に影響が出るといい、年間1500億元の負担軽減となるといいます。

 

 さらに、株価対策として、人民銀行は商業銀行が株の購入資金を貸し出す分について、最大3000億元を支援すると言います。この株価対策を好感して、昨日は中国株が4%前後上昇、米国株も中国向けの資材産業の株が買われました。

 

 FRBが急遽0.5%の利下げに出た背景には、苦境にある中国経済への支援という側面もあったようです。少なくとも中国はこれで救われました。もっとも、投資マネーが中国株に流れた分、外人の日本株売りを呼んだようです。

 

 ただし、この対策で中国の住宅の過剰供給が緩和されるわけではなく、中国の資産デフレは長期間居座ることになりそうです。