物価のハードルはなお高し | 経済あらかると

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 総務省が本日公表した4月の全国消費者物価(CPI)は、実質賃金プラスへのハードルが依然として高いことを示しました。先に発表された4月の東京都区部のコアが1.6%まで低下していただけに、インフレ率の低下が期待されましたが、そうはいきませんでした。

 

 4月のCPIコアは、前月比ゼロ、前年比2.2%の上昇と、前月のそれぞれ0.1%、2.6%上昇から減速しました。それでも東京都の数字が見せたほど急激な減速にはなりませんでした。東京都のCPIを0.5%も押し下げた高校授業料の影響が、全国の教育費では0.05%の押し下げにとどまったためです。

 

 そして生鮮食品が9.1%も上昇したことで全体の数字を押し上げました。特にキャベツが39.4%、リンゴが37.6%の大幅上昇となっています。

 

 そして実質値の計算に用いられる「帰属家賃を除く総合」は2.9%の上昇で、3月の3.1%からは小幅低下しました。授業料の他、宿泊料の上昇幅が18.8%に縮小したことも、サービス価格の上昇率を抑え、全体の減速に寄与しています。財が3月の3.3%から3.1%に低下したのに対し、帰属家賃を除くサービスは3月の2.9%から2.5%に低下しています。

 

 早ければ4月から賃金を引き上げるところがありますが、名目賃金が前年比3%以上の増加にならないと、実質賃金のプラスは実現しません。まだハードルは高いままです。

 

 6月以降は電気ガス代が大きく上昇するのでハードルはさらに高まります。4月以降、名目賃金がどれほど高まるのか注目です。