米国株に高値警戒感か | 経済あらかると

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 米国株の雲行きが怪しくなりました。昨日はエヌビディアの好決算をはやして同株が1割近い上昇となり、これを受けてナスダック、S&P500が一時最高値を更新しました。ところがその買いが続かず、マイナス圏にあったダウの下げがきつくなり、PMIや失業保険申請の強い数字を受けて、ダウは600ドル安、ナスダック、S&Pも最後は下げて終わりました。

 

 市場では強い指標で利下げ期待が後退といいますが、PMIもイニシャルクレイムも普段はさほど注目される指標ではありません。売りたいセンチメントのなかで、売り材料にされただけで、この指標が無くても債券、株ともに売りたいセンチメントだったように見えます。

 

 実際、エヌビディアは一時1040ドル台まで買い上げられましたが、その勢いはほかに広がらず、エヌビディアの単独高の様相で、これまでの「買いたいセンチメント」が陰ってきた感があります。指標もさることながら、前日の「議事要旨」がインフレ改善の足踏みに失望し、中には再利上げの声も出て、少なくとも利下げが遅れることを示唆していました。これがボディブローのように効いています。

 

 またモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOの「スタグフレーション」懸念も重しになっています。市場は少し調整したいムードなのかもしれません。