円安でも外需で稼げない日本 | 経済あらかると

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 財務省が本日発表した4月の貿易統計によると、円安が一段と進む中で、貿易収支は赤字が定着、輸出数量は減少が続き、4月は外需がマイナスの成長寄与となって2Qのスタートとなりました。

 

 4月の輸出は前月比0.9%増、前年比8.3%増となりましたが、数量では前年比3.2%減となりました。輸入は前月比0.5%減、前年比8.3%増、数量は0.7%増となりました。貿易収支は4675億円の赤字、季節調整後でも5608億円の赤字となりました。

 

 輸出は自動車が17.8%増となり、全体を3%近く押し上げ、半導体も製造装置が28.2%、電子部品が20.4%増で、両者で全体を2%押し上げました。それでも円安の価格効果が大きく、数量ベースでは前年比3.2%減と不調です。円安でも数をこなせません。

 

 地域別では対米輸出が自動車を中心に8.8%増ですが、数量では2.3%減となっています。EU向け輸出は金額で2.0%減、数量では13.7%減と落ち込みました。中国向け輸出は金額で7.6%増も、数量は5.1%減となりました。

 

 GDPの外需を見るために、、日銀の実質輸出入でみると、4月の実質輸出は前月比0.1%増、1-3月比では1.3%増となっています。実質輸入は4月が前月比0.4%減ですが、1-3月比では3.0%増となり、4月だけでみると2Qの外需は成長にマイナス寄与となります。円安でも外需で稼げないところに日本の弱さがうかがえます。