利上げを織り込み始めた国債市場 | 経済あらかると

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 10年国債利回りが一時0.98%を付けました。昨日の0.975%に続いて上昇しています。今年初めには「日銀の利上げなし」を予想して一時0.5%台まで低下していたので、市場は次第に日銀の利上げを織り込み始めるようになりました。

 

 きっかけは一部通信社の記事で、日銀幹部が6月にも追加利上げに出る可能性を示唆したというものです。実際、前回決定会合での「主な意見」をみても、日銀内部で円安の懸念が高まり、円安の物価押上げを考慮して追加利上げへと傾斜していることが見て取れました。

 

 そして為替介入後も円安が続いていて、改めて160円をうかがうようなら、為替防衛の観点から利上げが急がれるとみられます。すでにドル円は156円台まで円安に戻しています。こうした円安が続けば、日銀は6月会合で追加利上げに出る可能性があります。

 

 円安水準によっては、国債の買い入れ額をさらに減らしてくる可能性もあります。追加利上げとともに、量的引き締めの思惑が出れば、10年国債利回りは1%を大きく超えて上昇する可能性があり、国債保有者は早めのロスカットが必要になります。