総務省は本日、3月の東京都区部の消費者物価CPI)の結果を公表しました。政府による電気ガス代の抑制策と旅行支援で物価は前年比1.1%抑えられていますが、それでも全体は3.3%上昇と高止まり、基調を示すコアコアは3.5%に加速しました。
2月から政府の電気ガス激変緩和策の効果でインフレ率は低下していますが、それでも2月の東京都区部のインフレ率は全体で3.3%、生鮮食品を除いたコアで3.2%、エネルギーも除いたコアコアが3.5%の上昇と、基調のインフレがじり高を続けています。特にコアコアのこの3か月の瞬間風速は年率5.2%に加速していて、日銀の23年度1.8%予想はかなり厳しくなってきました。
インフレの内訳をみると、エネルギーは政策効果もあって前年比0.3%の下落となりましたが、生鮮食品が前年比4.9%、その他一般食品が8.1%上昇し、食品だけで1.93%も押し上げています。特にさけが35.8%、鶏卵が22.6%上昇、食品以外ではスマホが21.1%上昇、トイレットペーパーが23.1%、エアコンが10.1%上昇しています。
政策効果がなければ、インフレ率は全体が4.4%、コアが4.3%、コアコアは3.6%となります。電気ガス対策は秋までの予定で、それまでにエネルギーコストが実勢で下がらないと、秋以降また上昇率が高まる可能性があります。
材・サービスの内訳は、財が対策効果で5.5%に低下していますが、サービスは1.5%上昇となっています。交通が鉄道運賃の値上げもあって2.2%に高まっています。なお、帰属家賃を除いたサービスは2.3%の上昇で、2月の1.9%から加速してきました。