8月の米国雇用統計が公表されました。事前には強い結果となって引き締め強化となる事態を警戒しましたが、実質的にはマイルドな数字となり、とりあえずは嵐を回避できたようです。長期金利はやや低下し、株は反発上昇を見せています。
雇用は31万5千人増と、事前予想30万人増を上回りましたが、6月、7月分が合わせて10万人以上下方修正され、実質的には20万人強の増加と同義となりました。それでも雇用はコロナ前より24万人多く、コロナによる落ち込みを回復しました。
また失業率が3.5%から3.7%に上昇したことも、需給緩和を期待させました。もっとも、労働参加率が62.1%から62.4%に高まった面もあり、この数字は必ずしも弱くなったとは言いにくい面もあります。就業率は60.0%から60.1%と小幅上昇となりました。
また平均時給も前月比0.3%、前年比5.2%増と、前月と同じで、賃金コストの加速は回避されました。
こうしたおとなしい数字を見て、長期金利はやや低下。10年国債利回りは現地朝9時半時点で3.21%に低下、ドル円も140.2円前後と、小幅円高になり、株もプラス圏で推移していますが、頭の重さを感じます。これでは利上げの抑制にはならないと見られるためと思われます。原油価格は2ドル前後上昇しています。市場の関心は次のCPIに移っています。