GDPナウは2.6%、来年後半の後退確率は急騰 | 経済あらかると

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 アトランタ連銀は今般の製造業ISM、建設支出を受けて、3QのGDP予想を、これまでの年率1.6%から2.6%成長に引き上げました。個人消費を2.0%から3.1%増に、国内民間投資を5.4%減から3.5%減に修正したためです。

 

 米国のGDPは1Q、2Qともにマイナス成長でしたが、GDI(国内総所得)はいずれもプラス成長だったこともあり、当局はリセッションと見ていません。そして3QのGDPも堅調と見られることから、FRBは安心してインフレ抑制に動ける形です。

 

 しかし、このところの利上げが急なため、ニューヨーク連銀がまとめている「景気後退確率」は、足元で急騰しています。これは10年国債と3か月物国債の金利差モデルから、1年先の景気後退の確率を計算するもので、この数値が30%を超えるとかなりの確率で景気後退に入っています。

 

 このモデルによると、23年4月の3.71%から5月4.11%、6月5.93%ときて、23年7月は一気に17.63%に上昇しています。1974年のように、利上げが急な時には、イールドカーブからの「ラグ」が1年もないうちに景気後退に入るケースもあり、今回もこの確率が急騰しているだけに、来年7月より前に景気後退に入る可能性も考えられます。

 

 FRBは景気後退も辞さずと言っていますが、足元の景気堅調、来年の景気後退リスク上昇に、市場はどう反応するのでしょうか。足元の景気堅調とインフレ鎮静のめど立たずとなれば、積極利上げの継続で来年の景気後退リスクはさらに上昇し、株はしばらく調整が続くことになりますが。