7月は生産増も引き続き不安定 | 経済あらかると

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 経済産業省が本日公表した7月の生産出荷在庫速報によると、生産は前月比1.0%増と、6月の大幅増に続いてプラスを維持しました。しかし、当初の計画を大きく下回る業種も多く、当面は不安定な状況が続きそうです。

 

 7月の「実現率」はマイナス5.1%と、生産は当初計画を大きく下回りました。特に下振れが大きかったのは、電気機械のマイナス10.1%、電子部品・デバイスのマイナス9.8%、生産用機械のマイナス8.2%などです。

 

 それでも全体で前月比1.0%の増加となったのは、自動車の12.0%増が大きく、これだけで生産全体を1.69%も押し上げました。この他、汎用・業務用機械が8.6%増、生産用機械が5.9%増となって、両者で1.2%押し上げています。

 

 この7月の下振れもあり、8月、9月の予測指数は、8月が5.5%増、9月が0.8%増と、増産が続く予想となっています。もっとも、当局は8月の予想を5.5%増ではなく0.6%減と予想しています。この補正後の予測指数で計算すると、7-9月の生産は前期比4%前後の増加となり、4-6月の2.7%減を取り戻す計画です。ただし、9月も予測指数を下回る可能性があり、ここまで増えない可能性もあります。

 

因みに、当局が補正する前の8月の生産計画では、生産用機械が13.6%増で、これだで全体を2.14%押し上げる計画です。この他、化学が5.4%増、電気・情報通信機械が6.6%増、汎用・業務用機械が4.5%増となっています。半面、供給制約から電子部品・デバイスは10.3%減を見込んでいます。

 

 9月は電気・情報通信機械が5.1%増を見込む一方、汎用・業務用機械が10.3%減、電子部品・デバイスが3.9%減を見込んでいます。供給制約などで、当面業種間のばらつきも大きく、不安定な計画となっています。