経済産業省が本日発表した2月の鉱工業生産速報によると、生産は0.1%増にとどまり、予想を下振れした上に、出荷が1.3%減少する中で在庫が1.9%増と、後ろ向きに積みあがった可能性があります。その分、3月以降に在庫調整圧力がかかるうえに、ウクライナ戦争、3月に発生した福島沖の大地震による生産の停止などがさらに下振れリスクとなります。
2月の生産0.1%増も、自動車の生産増が1.42%押し上げていて、これを除くと大幅な減少となります。2月の実現率はマイナス4.5%と大きく下振れました。特に情報通信機械がマイナス16.0%、非鉄金属が9.6%、生産用機械がマイナス7.8%と、計画を大きく下回りました。その分、情報通信機械は3月に22.0%増、4月に18.4%増と、これを取り返そうと大幅増産計画となっています。
このため、予測指数では3月が3.6%増、4月が9.6%増と、大幅増産を計画していますが、前述のように、3月はウクライナ危機や福島沖地震の影響などから計画を下回ると見られます。当局も3月の予測指数を1.1%増に補正しています。その補正並みなら、1-3月の生産は前期比1.2%増となりますが、これより下振れする可能性が高いと見られます。
4月の予測指数が大幅増産計画となっていますが、これには生産用機械の27.9%増だけで4%も押し上げ、さらに電気情報通信機械の20.2%増が2.19%、輸送機械の8.3%増が1.53%押し上げる形となっています。これも実現性は不確実です。ロシアへの制裁の影響も長引きそうで、ニッケル、パラジウムなどの制約がEV、半導体などの生産の重しとなりそてす。