日本もインフレ加速 | 経済あらかると

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 世界のインフレの中で日本だけ落ち着いているように見えますが、本日総務省が発表した3月の東京都区部の消費者物価(CPI)を見ると、いよいよ日本でもインフレが加速してきた感があります。

 

 前年比でみた3月の上昇率は、全体が1.3%、生鮮食品を除いた「コア」が0.8%、さらにエネルギーも除いた「コアコア」がマイナス0.4%となりました。2月がそれぞれ、1.0%、0.5%、マイナス0.6%だったので、いずれも上昇率を高めています。

 

 前年比の上昇を個別にみると、エネルギーが26.1%上昇して、全体を1.16%押し上げました。このうち、電気代が26.7%上昇して0.65%押し上げ、都市ガスも29.5%上昇して0.40%押し上げました。ガソリンは17.7%上昇で寄与度は0.10%でした。この他、生鮮食品が13.7%上昇して0.50%押し上げ、その他の食品も1.6%上昇して0.38%押し上げました。通信費は52.7%下落して全体を1.08%押し下げているので、これを除くと全体は2.4%の上昇となります。

 

 前月比でみると、全体が0.4%、コアが0.3%、コアコアが0.2%上昇し、2月に引き続き上昇しています。この結果、直近3か月の瞬間風速でみると、全体が年率4.4%、コアが年率3.2%、コアコアが2.0%の上昇と、加速しています。2%越えのインフレは時間の問題となってきました。

 

 前月比の上昇率で高いものを見ると、家庭用耐久財の5.2%のほか、ガスが4.3%、電気代が3.4%と、エネルギー関連が高いのですが、さらに衣類が1.8%、身の回り品が1.7%、飲食料が1.4%、パンなどの穀類が1.3%と、幅広い上将が見られます。

 

 なお、実質値の計算に用いられる帰属家賃を除く総合は1.5%の上昇で、前月の1.1%から加速しています。消費や賃金を目減りさせるようになっています。

 

 なお、穀類が前年比3.3%の上昇となり全体を0.06%押し上げいますが、あんぱんだけで0.03%押し上げています。実際には、カレーパンも食パンその他も8%前後上昇しているので、統計は把握しきれていないように見えます。現実はもっと高い上昇とみられます。