正念場の日銀 | 経済あらかると

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 本日は朝から日銀の動きが注目されていました。昨日のNY市場では米国長期金利の上昇を受けて、ドル円が122円台まで上昇、6年半ぶりの円安となりました。米国金利の上昇に対して日本は日銀が長期金利の上昇を抑えているので、ヘッジファンドは安心して円売りができ、大きな利益を上げているといいます。

 

 ウクライナ危機以降、ユーロ安が懸念されましたが、ユーロドルは1.10ドル近傍で比較的安定しているのに対し、ドル円は115円から122円まで円安が進み、円独歩安の感がありました。日銀の姿勢を見て、円は売り放題とみられていました。そして昨晩の夜間取引で日本の10年国債利回りが0.24%をつけ、本日は黒田総裁が午前中国会に呼ばれていました。

 

 市場では日銀が0.25%で指値オペを通告するのでは、との警戒があり、債券売り、円売りはいったん見合されましたが、オペ通告はありませんでした。もし指値オペで流動性を無制限に供給すれば、一段と円安が進み、「悪い円安」が物価高を助長しかねません。政府は29日に物価高対策会議を開く予定です。そこで日銀が円安誘導のようなオペができるのでしょうか。

 

 逆に円安を警戒してオペを見合わせ、長期金利の上昇を放置すれば、結果的にYCCの修正、破綻となります。今は市場がリスク回避のため、自重していますが、日銀の姿勢がはっきりすれば、また「市場の鬼」が動き出しそうです。