財務省が本日発表した今年1月の貿易統計によると、輸出の不振に原油高で輸入金額が膨らんでいるため、貿易収支が2兆円もの赤字となりました。もともと1月は赤字になりやすい季節性があり、季節調整しても9326億円の赤字で、このペースが続くと年間10兆円以上の赤字となります。
輸出金額は前月比0.1%増、前年比9.6%増ですが、数量ベースでは3.9%減と減りました。特に中国向けの輸出が金額で5.4%減、数量ベースでは17.7%の大幅減となっています。北京冬季五輪を控え、当局がコロナの感染抑止のためにロックダウンを行い、また青空対策で製鉄所などの稼働を抑えたため、輸入が減った面があります。これはパラリンピックが終わる3月までは続きそうです。
一方輸入は金額で前月比4.9%増、前年比39.6%増ですが、数量ベースでは前年比4.9%増にとどまっています。金額ベースで39.6%増となったうち、15%分は鉱物性燃料の輸入増によるもので、金額は83%増ですが、このほとんどが価格上昇によるものです。2月も原油高が続いているので、輸入増による赤字は続きそうです。
なお、日銀の実質輸出入により、限界的な動きをみると、実質輸出は前月比1.5%減、1月の10-12月比は0.6%増。
一方実質輸入は、前月比3.4%増、1月の10-12月比は4.7%増と、輸入の増加超で、外需のGDP寄与は、このままだと大幅なマイナス寄与となります。個人消費がオミクロンで1月のような不振を続けると、1-3月のGDPはまたマイナス成長となります。