PPI高もウクライナ不安緩和でリスク選好 | 経済あらかると

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 15日のニューヨーク市場は、1月のPPI(生産者物価)が予想を大幅に上回ったものの、一方でロシア軍の一部がウクライナ周辺から撤退する動きが報じられ、リスク選好が復活、株はウクライナ危機で売られた分の多くが買い戻され、金利は長いものが上昇してスティープ化しました。

 

 まず1月のPPIが前月比1.0%の上昇と、市場予想の0.5%の倍の大幅上昇となり、前年比も9.7%に高まりました。前月比では食料が1.6%、エネルギーが2.5%上昇しましたが、この2つを除いても0.8%の上昇と、上昇が広範囲に広がっています。

 これからさらに貿易サービスも除いた「コア」は前月比0.9%、前年比6.9%の上昇と、物価上昇のすそ野が広がっていて、インフレの短期終息が難しいことを示唆しています。

 

 一方、ロシア国防省は軍の一部がウクライナ周辺での訓練を終え、部隊に戻ったと述べ、市場は地政学リスクの緩和を好感しました。バイデン政権はまだロシア軍の侵攻リスクは消えていないと慎重ですが、外交による調整が期待されるようになりました。

 

 このため、10年国債は一時ウクライナ危機で買われましたが、この日はまた利回りが2%近くに上昇、終盤は1.996%をつけています。その一方で株はナスダックが348ポイント上昇、ダウも422ドル高となり、先日のウクライナ売りの多くを取り戻しました。

 

 これを受けて原油価格も大きく下げ、WTI先物は3.39ドル安の92.07ドルとなりました。