中国五輪開催が景気の足かせに | 経済あらかると

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 北京冬季五輪が2月4日に開催となります。この直前に当たる1月のPMI(購買担当者景気指数)が悪化しました。五輪開催に向けての規制が景気の負担になっているようです。

 

 国家統計局が昨日発表した1月の製造業PMIは50.1と、前月の50.3から低下しました。生産指数が50.9と、前月の51.4から低下したほか、新規受注も49.3と、前月の49.7から低下しました。

 

 さらに、財新版では1月が49.1と、前月の50.9から大きく低下しました。生産指数が48.4と、前月の52.7から大きく低下したことが主因で、このほか新規受注、輸出受注も低下、雇用は2年ぶりの低水準となっています。

 

 財新版では沿海部の中小企業が多く、大企業よりもこれら中小企業での景気悪化が目立つようです。政府は五輪で中国を訪れる外国選手や要人に北京の大気汚染を見せたくないため、3月中旬まで北部地域の製鉄所に減産を求めています。またゼロコロナを進めている手前、コロナの感染が確認されると、その地域のロックダウンをして規制しています。

 

 さらに春節で人が多く動くのをにらんで、早めに交通規制、移動規制をかけ、人流による感染拡大を予防しようとしています。このため、サービス関連でも景気の悪化が見られます。

 

 通常は五輪で景気を盛り上げるところですが、コロナ禍で安全な大会にしたい指導部の面子、大気汚染のひどさを隠したい当局の立場が、かえって景気を圧迫する形になっています。五輪の一般チケット販売も控えていて、観客が入るのかも疑問視されています。誰のための五輪開催かよくわからない北京大会になりそうです。