米高成長の裏側 | 経済あらかると

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 米国の昨年10-12月のGDP(国内総生産)が年率6.9%成長と、好調を見せつけました。年間でも5.7%成長となり、40年ぶりの高成長となりました。もっとも、2020年がコロナでマイナス3.4%成長だったので、2年間で2.3%成長と、政策総動員のわりに緩やかな拡大だったことになります。

 

 また10-12月期の6.9%成長は、前期の2.3%成長から急加速した形になりますが、このうち在庫増による分が4.9%もあり、最終需要は1.9%成長にとどまりました。これは7-9月よりも弱い数字です。個人消費が3.3%増と、前期の2.0%増から高まったことが救いですが、インフレが収まるかどうかが大きなカギとなります。

 

 今回在庫が大きく押し上げた分、今年1-3月以降はこれが反落して成長を阻害する面があるだけに、インフレと個人消費の行方が大きく左右します。FRBは政権の要請もあって、インフレ抑制に積極的に動くと見られます。

 

 今回のGDP統計での「勝者」はアトランタ連銀です。ここでまとめている「GDPナウ」は、直近の予想で4QのGDPを年率6.5%成長としていました。GDP推計と同じ手法を使っているとはいえ、事前予想ではこの「GDPナウ」が今回も最も信頼できる予想となりました。