ドラギ総裁「テーパリングではない」 | 経済あらかると

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 ECB(欧州中銀)は26日の理事会で、事前の予想通り、来年の資産買い入れ額を月300億ユーロに半減して9月まで延長することを決めました。金利については据え置きました。

 

 この決定に対して、ドラギ総裁は真っ先に「テーパリングではない」と述べました。つまり、最後はゼロになるよう漸減するものではなく、あくまで債券買い入れ額を減額しただけ、としています。

 

 そして必要なら買入れ額をまた増やしたり、再延期したりする余地も残していて、「オープンエンド」だといいます。つまり、買い入れを突然止めることはなく、9月もこれで終わりではなく、300億ユーロの買い入れは9月までというだけのことと言います。

 

 このオープンエンド・プログラムについては異論も出たようで、全会一致ではなかったと言います。

 

 ドラギ総裁は、理事会の決定に比べると、発言内容はかなりハト派的で、景気見通しは改善するも、コアインフレが上昇基調にある明確な証拠はない、としています。そして大規模な金融刺激が依然として必要だ、としています。

 

 総裁はユーロ高を牽制したい面もありますが、内心は大規模緩和を続けたいとの思いがあるようです。それを許さない力(恐らくG30)が働いていると見られます。なお、この決定を受けて、ユーロは対ドルで0.8%下落、ユーロ高を避けたいと言う当初の目的は達したようです。