米国でのFOMC(連邦公開市場委員会)は、事前予想通り、現状維持で、バランスシートの縮小を10月に開始と決め、今後の金利見通しも来年までは従来の見通しを維持しました。
つまり、年内もう一度の利上げと、来年は3回の利上げ予想です。
このFOMC声明発表を受けて、12月の利上げ確率はこれまでの52%から72%に上昇、10年債利回りは一時2.29%まで上昇しました。この金利上昇を受けてドルが上昇、ドル円は直後に112.51円に上昇、ユーロは1.1894に低下しました。
この金利とドルの上昇で一時株価は下げましたが、最後にはダウもS&Pも、終値での高値を更新しました。
FOMCでの見通しが特に変わったわけではありません。GDP成長見通しは、今年2.4%のあと、18年が2.1%、19年が2.0%、失業率は今年が4.3%、18年、19年は4.1%です。インフレ予想も18年までは2%を下回り、19年に目標を達成する予想です。
イエレン議長の会見も、インフレの下振れは、必ずしも一時的なものばかりでなく、より広範な要因が絡んでいることを認め、必要なら金利見通しを変更する用意がある、と述べています。決してタカ派寄りになったわけではありません。
なお、バランスシートの縮小は6月に提示した方法で進め、その見直しは景気がよほどの状況に陥った場合のみ、としています。そうでなければ、今後議論なしで、粛々と資産縮小を進めることを示しました。
この内容で金利が上昇したことは、市場に「FRBの想定通りには進まない」との思いが強かったためと考えられます。それが予定通り進んでいることで、ある程度織り込まざるを得なくなったようです。