米国ではFOMC(連邦公開市場委員会)を控え、景気に敏感になっているところですが、小売りや生産が弱かったこともあり、GDPナウが7-9月のGDPを年率2.2%に大きく引き下げました。
予測精度の高さで注目されるアトランタ連銀の「GDPナウ」は、
7-9月の成長予測を、これまでの年率3.0%から2.2%に大きく引き下げました。
8月の小売りが予想の0.1%増に対して、0.2%減と下振れしただけでなく、7月分も当初の0.6%増から0.3%増に下方修正されました。これを受けて、GDP予測ベースの個人消費も、これまでの2.7%増の予測から2.0%に引き下げられました。ハリケーン「ハービー」の影響もあって、自動車販売が1.6%減少したのが効いていますが、自動車やガソリンなどを除いた「コア」でも0.2%減で、自動車だけのせいではなさそうです。
また8月の鉱工業生産が0.9%減と、予想の0.1%増を大きく下回りました。ここにもハリケーンの影響で鉱業が0.8%減となったことがあげられますが、これもそれだけでは説明がつかない弱さです。
これを受けてGDPナウも、設備投資の予想を2.6%から1.4%に引き下げました。
3QのGDPは2Qの3.0%を超えるとの期待もありましたが、期待に反して2%強に減速しそうです。9月には自動車や建材で「復興需要」を期待する声もありますが、「ハービー」のあとに「イルマ」がフロリダを襲い、9月も弱い数字が出そうです。復興需要は10-12月になってからかもしれません。
FOMCには弱いデータではありますが、逆にハリケーンのせい、とすれば、その後の反発も期待できるので、政策見直しにつながるものではなさそうです。