「銭形平次捕物控 正月の香り(六)(七)」野村胡堂 | ゆづき24時 2nd

ゆづき24時 2nd

ヤプログ終了のためこちらに移転しました。過去記事順次引っ越し中。

朗読「銭形平次」

「正月の香り」解説&雑談 最終回です。

 

 

「銭形平次捕物控 正月の香り」

 

 

「どうです、御隱居、私はもう歸りますよ。

若主人御夫婦の繩を解かせなきやなりません」

 

 

  

 

てんとうむし

 

 

ではでは、最終回の今回は

「正月の香り」の 地理的な話をひとつ。

 

 

 

てんとうむし

 

 

①神田明神 かんだみょうじん

②神田佐久間町 かんださくまちょう

③新し橋 あたらしばし

④向柳原 むこうやなぎわら

⑤本所相生町 ほんじょあいおいちょう

⑥本銀町 ほんしろがねちょう

 

で、②③④あたりを 拡大したのが、

上の、2枚目の地図ですね。

 

直接 取材に行けたらいいのですが

最近はなかなか「巡る旅」も困難なので、

過去に廻ったときに撮った写真などから

現場に近いのを載せときましょう。

 

①神田明神は、平次の家の近く。

平次の家は、神田明神下御台所町。

 

②の佐久間町 が、

忠左衛門の丹波屋がある場所。

材木問屋の多いところで火事も多かったから、

「あくまちょう」とも 呼ばれていたとか。

拡大図の方で見ると、

グレーのところが 町人地、

白いところが 武家屋敷 なので、

佐久間町は 武家屋敷の周りにあるような

ロケーションなのですかね。

 

現在の 和泉橋

なので、対岸に見えるあたりが 佐久間町

「濡れた千両箱を巡る旅」(ブログ動画

のときに通りました。

 

 が 忠右衛門が修理を一手に担ったという

新し橋ですね。

今は、美倉橋 という橋になっているよう…

神田川にかかる橋で、

左衛門橋と和泉橋の間にある橋。

和泉橋 → 美倉橋(新し橋) →の次の 左衛門橋

左衛門橋の写真はあったのですけれど…

美倉橋の写真は なかった! 残念。

 

④が 向柳原

八五郎が住んでるところです。

 

⑤ 本所相生町

忠左衛門の妾のお国の実家があるところ。

両国の、回向院のある辺り。

「身投げする女を巡る旅」の 動画には

映ってるんですが…

ブログの方には回向院の写真は載せてないな…

ブログだと、勝海舟生誕の地・両国公園吉良邸跡

この近くです。

 

⑥ 本銀町

お初が嫁入りする予定の 伊勢屋がある場所。

今の、JR神田駅近く。

今も日本橋三越(当時の越後屋)があったり

日本銀行本店があったり、

当時から 越後屋十軒店など 

流行りのお店の並ぶところも近い場所、

おそらく 相当 いい家に

嫁入りするはずだったんでしょうね。

日本銀行本店。かっこいい。

つまり、江戸時代に「金座」があった場所。

 

江戸時代には この辺りに龍閑橋というのがあったそうで

(今はないのですが)

たまたま この近くを通ったときに撮った

龍閑橋の名残(親柱) の写真があった!

 

 

2枚目の地図の参考にした

江戸の切絵図、載せときます。

尾張屋版 江戸切絵図 東都下谷絵図

 

こちらは全体図。

これは 右側が北なので…

私が描いた絵は、この左の端っこを

左に90°回転させた感じの 拡大図。

 

 

てんとうむし

 

 

さてさて、

ではまた 多少 注意ネタバレ注意

になりますが…

 

 

「正月の香り」 とは

つまり、宗吉に良心を取り戻させた

 

「どんど焼き」 の匂い だったんですね。

 

匂い、というのは

他の感覚(視覚とか聴覚とか)と違って、

直接的… 

直接 本能や記憶や感情を司る脳の部分

伝わるとかなんとかいう話を

聞いたことがあるような気がするのですが、

 

宗吉が どんど焼きの匂いで

幼い頃の記憶がよみがえり、

良心を取り戻すって

なんか、すごく わかるような気がしますね。

 

まじめに働く宗吉の心に 暗い影。
 
もしかすると
隠居の忠左衛門からしたら、
自由になるお金はなくても
三度の食事や住む場所を提供することで
宗吉のことは 家族のように思っていたのかも
しれないけれど、
裏を返せば
それは “一生奉公” ということで…
 
や、しかし これで
宗吉とお初の心持もわかったし、
忠左衛門は考えを改め、
平次の仲人のもと
宗吉とお初も祝言をあげることができ…
 
そういえば、
今回は 人も死ななかったし、
平和なお話でしたねえ。
 
縁側で聴いていた八五郎、
鼻をすすり上げながら、
 
「畜生ツ、風邪でも引いたかな」
 
朗読する方も感情的になってしまうと
音が歪んでしまって聴きにくいかな、
とも 思ったのですが、
録りなおして キレイな音にするよりは
少しぐらい 声が歪んでる方が
八五郎の気持ちが伝わるかな、と
そのままの音で 載せることにしました。
 
 

 

てんとうむし

 

 

 

ではでは、 これにて

「正月の香り」は終了です。

 

今回も お付き合いいただき

ありがとうございます。

 

ご視聴ありがとうございました!虹

 

 

 

 

てんとうむし

 

【(六)(七)の語句解説など】 

 

(七)

【経師屋】 きょうじや

巻物、掛物、和本、屛風、

ふすまなどの表装をする職人。 

 

【亥刻半】 よつはん

夜11時頃 。

江戸時代の時刻の詳しい解説はこちら

江戸時代の時間

 

 
 
 
 できました!
 ↑ スタンプのお求めは
    こちらクリックでLINEのページに飛びます
 
  過去のyoutube用イラスト、挿絵などの中から40点です。