「銭形平次捕物控 濡れた千両箱(十)(十一)」野村胡堂 | ゆづき24時 2nd

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朗読 銭形平次「濡れた千両箱」、雑談と解説、最終回です。


今回は(十)(十一)のご紹介 と 「濡れた千両箱を巡る旅」です。


「銭形平次捕物控 濡れた千両箱(十)(十一)」

youtube 銭形平次捕物控「濡れた千両箱」(十)~

youtube 銭形平次捕物控「濡れた千両箱」(一)~(初めから再生)


(十)(十一)
「勘次、不都合なことがあるものだな」
「何です、井崎の旦那」
壁の穴の向うとこっちで、
井崎八郎と白狗の勘次は話を始めました。


(十一)
【正午】ここのつ
昼十二時頃。


【灰吹】 はいふき
タバコ盆についている、タバコの吸い殻を吹き落とすための竹筒。
「吐月峰」と書いて「はいふき」と読ませる場合もある理由は
こちらを参照→ 九百九十両(一)



てんとうむし



今回のブーケ2「濡れた千両箱」の主な舞台となっている場所です。

❶深川・木場 : 春木屋・治兵衛の材木問屋のある場所。
❷柳橋 : お通の水茶屋のある場所。
❸谷中 : 治兵衛の檀那寺・清養寺のある場所。
❹深川不動堂 : 八五郎がお兼に懐中を狙われた場所?
❺谷中から浅草一帯 : 三ノ輪の万七の縄張り。
❻八丁塀 : 笹野新三郎の役宅がある場所。
❼本所相生町 : 井崎と勘次の住む惣十郎店のある場所。
❽神田明神 : 平次の住む神田明神下御台所町の近く。



てんとうむし



さて、「濡れた千両箱 を 巡る旅」です。
今回はとにかく範囲が広い広い。

ホントは千両箱が辿った道……木場から谷中を
行ければよかったのでしょうけれど、
あまりにも範囲が広くなってしまうので、
お話の最初でもある “柳橋” から始めようと思います。



それでも範囲が広いので、まずは前半の地図
 

①浅草橋駅 ②柳橋 ➂両国広小路 ④柳原土手
➄筋違見附跡 ➅旧万世橋駅 ➆湯島聖堂 ➇神田明神



まずは、浅草橋駅(都営浅草線)スタートです。

①浅草橋駅

ここからちょっと歩いたところに、②柳橋 があります。
そこら辺一帯の地名を「柳橋」というのですけれど、
「柳橋」という橋もあります。神田川にかかってる橋。
これが②柳橋
柳橋といえば、江戸時代は花街。
だからか、橋に「かんざし」の飾りが。
 

こちらが、深川側から見た、橋の方じゃなくて
地名の方の柳橋。(橋も見えるけど)
つまり、三千両を担いだ人足と源助と辰蔵はこっちから来て、
あの対岸辺り…神田川沿いに
お通の水茶屋があったということになりますね。

お話の中では「この空模様じゃ筋違までも もちませんぜ」
と言ってますから、お通の水茶屋で休んだあとは
筋違見附を通る予定だったと思われます。


にゃー というわけで、筋違見附跡(現万世橋)の方へ向かいます。


その前にちょっと寄り道。

➂両国広小路跡
柳橋を渡った先が、時代小説などにもよく出てくる「両国広小路」跡。
そういえば、ここは
先日「身投げする女を巡る旅」のときも通っている。
そのときはこんな看板があるのに気が付かなかった。
明暦の大火のあと、回向院が建てられ、
ここが火除け地とされたわけなんですけれど、
火除け地だからちゃんとした建物は立てられないんだけど、
簡易的な見世物小屋や芝居小屋などがたくさん建てられて
賑わったという場所。


わんわん 寄り道終了。神田川沿い… には歩けないんだけど、
神田川に沿うように神田方向へ。


江戸時代は、この神田川沿い……
南側を ④柳原土手 といったわけですね。

④柳原土手跡 の看板があった。




余談ですが、秋葉原付近でこんな建物(貼り紙)を見つけた。

「募集していない」なら言わなくてもいいんじゃ……
ていうのがあまりにもツボだったもんですから。


にゃー そうこうしてるうちに万世橋近くへ。だいぶ秋葉原ゾーン。
 
 

万世橋のそばに、➄筋違見附跡の看板。
あれ? 万世橋の写真を撮るの忘れたかな。
そのへんは 動画「濡れた千両箱を巡る旅」(準備中)の方に
映ってると思いますので、お楽しみに。



そのすぐ近くには、旧万世橋駅。
 

➅旧万世橋駅
この辺、動画をあまり撮らなかったので、
写真を多めに載せとこう。
電車の高架下を利用したお店やなにかが並んでいて、
ちょっとおシャレな空間。
その一画が、➅旧万世橋駅
ちょっとした憩いのスペースとカフェみたいのがある。



わんわん ここからさらに、神田明神の方へ。

 
 

➆湯島聖堂 の壁。
ここも「銭形平次」にはよく出てきますねー。
 

いつもの ➇神田明神
平次親分の碑もあかりちゃん(神田明神で飼われているポニー)も
今回写真は撮り忘れましたが、
いつもどおり順調に見て、谷中方面へ向かいます。



にゃー



では、後半の地図

➈不忍池 ➉上野恩賜公園 ⑪寛永寺 ⑫谷中霊園
⑬天王寺 ⑭幸田露伴旧宅跡 ⑮谷中ぎんざ ⑯日暮里駅


神田明神からまた歩いて、上野恩賜公園エリアにやってきました。
➈不忍池 ➉上野恩賜公園
池の中央の中之島には弁天堂。
 

公園内の上野清水堂の前には、江戸時代にあった
「ぐるぐる松」が再現されている。
広重の「名所江戸百景」にも描かれてる、ぐるぐる松、

ホントは「月の松」っていうんだね。


わんわん 公園の中を通って、⑪寛永寺へ向かいます。
 
 

⑪寛永寺
寛永寺、芝の増上寺とともに、徳川家の菩提寺ね。
今回、寛永寺の写真は撮り忘れたようなので、
過去の写真で失礼します。
「動画 濡れた千両箱を巡る旅」の方には映ってると思いますので。



にゃー ここから、⑫谷中霊園へ向かいます。

 
 

⑫谷中霊園 徳川慶喜の墓所。

谷中霊園には、徳川慶喜はじめ何人かの将軍のお墓があります。
谷中霊園は、天王寺の墓地と寛永寺の墓地を含んでいて、
将軍の墓地は、寛永寺墓地ゾーンなんだな。

過去に銭形平次を演じた俳優の長谷川一夫さんのお墓も
谷中霊園にあるらしいよ。



実は、谷中霊園に来るのは初めてで、
桜の名所にもなってるので、
もうちょっと観光地っぽいのかなと思ってたら、
思い切り、フツーに “墓地” だったので驚いた。


でも、実は今回の旅でいちばん強烈な印象だったのは、
谷中霊園だったかも。

 「いやー……、墓地だったなー」

何より、近隣の住民の方々が
フツーに墓地ありきの生活をしてらっしゃるのに驚いた。
墓地の中を、フツーに自転車で走っていく。
フツーに犬の散歩をしている。
墓の中にフツーにブランコや滑り台やベンチがあって、

 「え? これは、ここで遊んでいいってこと?」

とちょっと戸惑ったんですが、みんなフツーにそこで憩っている。
すごい。
 

谷中霊園内の公園にある、「五重塔跡」。
昭和32年に焼失してから再建はされていないけど、
幸田露伴の小説「五重塔」のモデルになった五重塔らしい。
 
 

⑬天王寺
江戸時代は感応寺といって、富くじで有名だった。
感応寺の富くじの話は「銭形平次」にも何回か出てきてます。




谷中霊園を抜けて…… 

といっても全然隣接してますが、
こんなところに急にあるのが

⑭幸田露伴旧宅跡
この辺に二年くらい住んでたみたい。



わんわん 本当に墓ゾーンを抜けてちょっと安心、
谷中ぎんざ方面へ向かいます。
 
 

途中、近くの朝倉彫塑館前を通ってみる。夕方なので閉まってた。
 

余談ですが、朝倉彫塑館の近くにあったお店。かわいい。
 
 

⑮谷中ぎんざ
初めて来たけど、この光景はTVとかでよく見かける。
GW中だったこともあってめちゃくちゃ混んでいたので、
商店街内の撮影は諦めることにする。
 

商店街内、頑張って撮ったのがこの一枚。



にゃー
 
 
 

というわけで、⑯日暮里駅 に到着。
今回の旅は範囲が広かったねー、ちょっと疲れた。


てんとうむし



というわけで、今回の旅も無事終了。

「めぐる旅 動画」も現在準備中ですので、
お待ちくださいね。






ではこれで、「濡れた千両箱」終了です。

では、また。
ご視聴、ありがとうございました 虹





(十)(十一)に使われている挿絵のご紹介です。